阪神・隼太4安打大暴れ 則本からポール直撃弾「真っすぐ狙っていた」

[ 2018年3月17日 08:15 ]

オープン戦   阪神12―4楽天 ( 2018年3月16日    静岡 )

8回1死、伊藤隼がこの日4本目の安打となる右前打を放つ
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 阪神・伊藤隼太外野手(28)が16日の楽天戦で1号を含む4安打3打点の大暴れで躍動した。今春オープン戦では初の先発出場。6回には開幕投手に内定している則本から阪神打者として初めての本塁打を右翼ポールへ直撃させた。昨季、左の代打の役割を担った打力は健在。低調だった打線に火を入れ、今春最高の猛打を呼んだ。

 圧巻は6回1死で迎えた第3打席だ。1ボールからの2球目。則本の内角高めの144キロを捉えた伊藤隼の打球は右翼ポールに直撃した。

 「真っすぐを狙っていた。仕留められて良かった。いい投手だとは分かっている。それに振り負けない準備はしていた」

 価値のある一打だ。“あの”則本から打ったのだから。今春も侍ジャパンに招集された球界を代表する本格派右腕。過去の交流戦では3度の対戦で無傷の2勝、防御率0・72を許すなど歯が立たなかった。速球に圧倒され、本塁打した打者も過去3試合ではいなかった。その速球を1球で仕留めた。

 「6番・左翼」で今春オープン戦に初先発。主力打者が参加しなかった静岡遠征で巡って来た好機を逃さなかった。チームにとっても8試合ぶりの本塁打。低調だった打線に勢いを付け、12得点の猛打にもつながった。

 7回無死二、三塁では宋家豪の直球を右前へ打ち返す2点適時打。8回にも福山の直球を右前打した。ともに追い込まれた後に捉えた快打。4回の内野安打を合わせて4安打の大当たりだ。

 昨季は主に代打として自己最多の73試合に出場して打率・261、2本塁打、9打点。代打率・258だった。今春キャンプの1カ月間は2軍で過ごし、初めて1軍に呼ばれた13日のヤクルト戦で途中出場から2安打。数少ない打席で確かな存在感を示した。

 7年目の28歳。中堅のレギュラーを争う高山ら若手とは少し立場が違っても、金本監督は必要戦力として認めた。「速い真っすぐに振り負けないというのはウチのチームに足りないもの。それを彼は持っているのかなと」。代打としてはもちろん、今回のように福留の休養日で大切な出番がある。

 草薙球場では13年8月22日にDeNA戦が雨天中止。残念がる大観衆を雨中のヘッドスライディングで沸かせたのが当時2年目の若手、伊藤隼だった。5年前のような特別なファンサービスは不要。最高のパフォーマンスで魅了した。 (山本 浩之)

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2018年3月17日のニュース