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西武・外崎 高い盗塁技術で飛躍の年に

西武の外崎
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 【宮入徹の記録の風景】走る西武に欠かせないピースだ。外崎修汰内野手(25)は昨年入団3年目で初めて規定打席に到達。打率・258、10本塁打、48打点、23盗塁の成績を残し、チーム4年ぶりの2位浮上に貢献した。特に盗塁の精度の高さは目を見張る。昨年の盗塁失敗はわずか3度。成功率は実に・885に達した。通算では38盗塁を決め、失敗は4度。成功率は・905とさらに跳ね上がる。

 デビュー以来の左右投手別の盗塁内容を見ると、左腕登板時は盗塁成功が8度あって失敗は4度。成功率は・667に過ぎない。ところが、右腕登板時は30度試み失敗は0。プロ入り以来オールセーフを続けており、絶対の自信を持つ。打撃でも1、2年目の本塁打は15年1本、16年2本と1桁に止まったが、昨年は2桁の10本に乗せ、パワーアップを証明。将来的にはトリプルスリーも夢ではない。

 今季は楽天から松井が15年ぶりに西武に復帰した。外崎と共通するのが盗塁成功率の高さだ。松井は日本のプロ野球で通算362盗塁を決め、盗塁死は80。盗塁成功率は・819と高率を誇る。通算300盗塁以上の選手は29人いるが、松井の成功率は南海・広瀬叔功の・829(盗塁596―盗塁死123)に次いで歴代2位。01年には26盗塁を決め失敗0。盗塁死が記録として残されるようになった42年以降、シーズン20盗塁以上で1度も刺されなかったのはプロ野球で松井だけだ。松井の通算盗塁成功率を左右投手に分けると、左腕・812(盗塁95―盗塁死22)、右腕・822(盗塁267―盗塁死58)でその差は1分とわずか。左腕対策で外崎が松井から学べる部分は少なくなさそうだ。

 ついでながら歴代盗塁3傑の左右投手別の成功率を調べてみた。通算1065盗塁で1位の阪急・福本豊は右・785、左・762。596盗塁で2位の前出広瀬は右・830、左・824。通算579盗塁で3位の巨人・柴田勲は右・764、左・691となった。3人とも対右投手の数字が上回ったが、左投手相手にも福本、広瀬は健闘。やはり盗塁を増やす上で左腕に対する成功率アップは必須条件と言えそうだ。

 ところで、盗塁成績は誰が打席に立っているかも重要な要素になる。歴代3位の柴田を例にとってみよう。V9時代を含む巨人の全盛時は柴田が出塁すると、打席に0Nが登場することが少なからずあった。王が打席に立ったケースで柴田が盗塁を試みたのは通算82度。内訳は成功66、失敗16で成功率は・805。長嶋の場合は成功55、失敗13で・809と、ともに8割を超える高い数字になった。ON以外の打者だと成功率は・736まで下がる。

 もしもONが打席に立って盗塁を失敗すればチームにとっては大きな痛手。柴田はより集中力を研ぎ澄ます必要があっただろう。加えて、相手バッテリーがONに対し警戒することで走者に向ける注意力がそがれたことも想像に難くない。スーパースターの存在は、盗塁の成否にも影響を及ぼしていたことが分る。(敬称略、専門委員)

 ◆宮入 徹(みやいり・とおる)1958年、東京都生まれ。同志社大卒。スポニチ入社以来、プロ野球記録担当一筋。94年から15年まで記録課長。本社制定の最優秀バッテリー賞の選考委員会には、第1回から27回連続で資料説明役として出席。

[ 2018年2月24日 10:00 ]

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