広島ドラ1中村奨 生涯捕手で「誰も成し遂げてない記録を」

[ 2017年12月14日 05:30 ]

背番号22のユニホームに袖を通し、ガッツポーズする中村
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 広島は13日、広島市内のホテルで新入団選手9人(育成を含む)を発表し、ドラフト1位・中村奨成捕手(18=広陵)は「最低でも40歳まではやりたい」と捕手として現役生活を全うする強い決意を表明した。今夏の甲子園では6本塁打の大会新記録を樹立した次代のスター候補。「誰も成し遂げていないような記録をつくりたい」と輝ける未来図を力強く描いた。

 晴れの舞台。中村奨は大志を飾ることなく素直に言葉に乗せた。「まずは新人王を獲って、最終的にはトリプルスリーだったり…。誰も成し遂げていないような記録をつくりたい。3年以内に1軍に上がって、10年以内に正捕手になりたい」。思い描いたプロ人生の設計図。すべての夢には「捕手で」という強いこだわりが付いた。

 「カープの看板選手、息の長い選手になれるよう頑張っていきたい。小さいときからずっと捕手をやっているので、他の選手に負けたくないという思いはある。正捕手の座を渡したくない。最低でも40歳まではやりたい」

 強打ゆえに捕手入団から打力を買われて内外野へ転向した前例は少なくない。捕手としての立場を確立した後も元阪神・城島や巨人・阿部のように現役終盤は守備負担を減らして打力を生かすために一塁などへ移った先人もいる。最大のセールスポイントとして強肩を強く自負。「打てる捕手」を貫くことは簡単ではないからこそ挑戦に心が奮い立った。

 「誰も成し遂げていないような記録」については「何千安打とか…」と一端を明かした。いわゆる捕手の2000安打以上は過去4人だけ。捕手の最多安打は歴代2位でもある野村克也の通算2901安打で、その上に張本勲の3085安打のプロ野球記録がある。

 「限界を超えることを目指したい。甲子園で記録をつくったことで、達成感を肌で感じた。それをまた味わいたい」

 確かに今夏は高校球界で“誰も成し遂げていない”ことを実現した。同じようにプロの舞台でも――。初めて22番のユニホームに袖を通し、「気持ちが高ぶる。カープ一筋で引退を迎えたい」と決意表明に力を込めた。(柳澤 元紀)

 ★捕手で新人王 69年田淵幸一(神)と84年藤田浩雅(阪急)の2人だけ。田淵は入団1年目の正捕手で81試合、藤田は2年目で82試合の先発マスクで、それぞれ22本塁打を記録。

 ★捕手でトリプルスリー プロ野球では15、16年山田(ヤ)の2度を筆頭に広島の95年野村謙二郎、00年金本知憲ら10人、11度達成。ポジション別では内野手4人(5度)、外野手6人で、捕手はメジャーを含めても達成者がいない。

 ★捕手で40歳代出場 最年長は15年中嶋聡(日)の46歳シーズン。先発では80年野村克也(西)と15年谷繁元信の45歳シーズン。広島では倉が40歳シーズンの15年に1試合だけ途中出場でマスクをかぶった。

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