思い語らずも…雄星 来オフメジャー目指す 球団本部長「認識している」

[ 2017年12月9日 05:30 ]

大幅アップで更改した菊池は色紙に「勝利」と書き込み、笑顔を見せる
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 西武・菊池雄星投手(26)が8日、メットライフドームで契約更改交渉に臨み、1億4000万円増の年俸2億4000万円プラス出来高払いでサイン。8年目の今季は初タイトルとなる最多勝、最優秀防御率の2冠に輝き、球団史上最高の昇給額を勝ち取った。来季は10年ぶりのリーグ優勝を置き土産に、オフにはポスティングシステムでのメジャー挑戦を目指す。

 報道陣に年俸を聞かれると、穏やかな笑みを浮かべた。「ゾロ目が3つくらいあります。多分皆さんが想像している数字だと思います」。税抜きで2億2200万円。税込みでは2億4000万円で球団最高昇給額の1億4000万円増となり「今年一年頑張ってくれたという言葉をいただいたのがうれしい」と声をはずませた。

 プロ8年目で初めて1年間を投げ抜き、自己最多の16勝を挙げた。さらに防御率1・97で2冠となり、2位躍進の原動力になった。来季の目標は10年ぶりのリーグ優勝。日本一になったソフトバンクにはプロ入り以来12連敗を喫しており、「ホークスを倒さない限り優勝はない。大きい数字だけど、1年間フルに戦う意味でも挑戦したい」と初の200投球回を目標に掲げた。

 夢の先にメジャー挑戦がある。交渉では「来季頑張ろうという話で終始した」と語るにとどまったが、球団も菊池の思いを理解している。「一昨年に初めて(メジャーで)“やりたい”と聞いた。(その意思は)認識している」と鈴木葉留彦球団本部長。海外FA権を取得するのは最短で3年後の20年。来季、誰もが納得する結果を残せば、球団がポスティングシステムを容認してメジャー挑戦する可能性は十分ある。

 今オフは初めて米国で自主トレを行う。11日に出発。一時帰国する年末年始を除き、来年1月下旬まで約1カ月半、一人で武者修行する。「とんでもないガタイ(体格)の人たちと交ざってやる。凄く刺激になる」。メジャーリーガーたちと切磋琢磨(せっさたくま)できる環境でレベルアップを図る。

 花巻東の後輩・大谷が今オフに一足早くメジャー挑戦する。「怪物がどんどんでかい怪物になっている」と称えたが、最速158キロを誇る左腕はスケールの大きさでは決して負けていない。メジャー挑戦の思いを胸に秘め、最高の結果を残す。 (平尾 類)

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2017年12月9日のニュース