広島・中田 大まじめに目標160キロ「ボクは無理じゃないと」

[ 2017年12月9日 05:30 ]

1300万円増の年俸3300万円でサインした中田
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 広島・中田廉投手(27)が8日、広島市南区の球団事務所で来季の契約更改交渉に臨み、1300万円増の年俸3300万円(推定)でサインした。3年ぶりに復調した今季は登板53試合で2勝4敗、防御率2・70と奮投。親交が深いドジャース・前田健太投手(29)を手本に、来季はセットアッパー定着を、将来的には球速160キロを、それぞれ目標としてブチ上げた。

 14年にセットアッパーとして66試合に投げながら、右肩違和感などの影響で15年が5試合、昨年は8試合にとどまった登板。3年ぶりに復調した中田は会見で、雌伏の時を経たからこその強烈な向上心を吐露した。

 「大きな経験をさせてもらった。ピンチで出るたびに自信がついた。勝ちパターンに食い込めるよう、死にもの狂いで努力したい」

 試合展開に関係なく投げる貴重な右腕。交渉役の鈴木球団本部長は「いつ投げるかわからない。一番つらいところをやっている」と認める。中でも5試合にのぼる満塁での救援で存在感を発揮し、勝利の方程式を再び担う足場を築いてみせた。

 「11球団の中継ぎで圧倒できる投手はいないと思う。こいつが出てきたらダメだ…と思わせる力。圧倒するレベルを目指したい」

 目指す像は、単なる救援投手にとどまらない。球速「160キロ」を将来目標に掲げ、大まじめに「皆にバカにされるけど、ボクは無理じゃないと思っている」と言い切った。不断の努力で体を鍛え上げ、今季は150キロを計測。最速を更新した自信が胸中に宿る。

 手本とするのは、カープOBのドジャース・前田だ。今秋のポストシーズンでは先発から中継ぎに回り9試合でわずか1失点の力投。チームはアストロズに敗れて世界一こそ逃したものの、力強い投球でメジャーリーガーを圧倒するシーンがキラリと光った。

 「参考にはなる。エゲツない球を投げていたし、真っすぐが前に飛ばなかった。気迫だけでは抑えられない。マエケンさんのような技術を身につけたい」

 来年1月は前田と沖縄で恒例の自主トレを予定。「6〜7年も一緒にやっていたら聞いても答えてくれない。見て学びます」と笑うが、打者を圧倒した手本が身近に存在するのは大きな強みだ。

 圧倒的なセットアッパーへ。そして球速160キロへ。大言壮語と言うなかれ。より高みを目指す中田のチャレンジには夢がある。(江尾 卓也)

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2017年12月9日のニュース