ソフト武田“遅れてきた男”がCS初勝利「一人一人集中した」

[ 2017年10月23日 05:30 ]

パCSファイナルステージ第5戦   ソフトバンク7―0楽天 ( 2017年10月22日    ヤフオクD )

7回0封でCS初勝利を挙げたソフトバンク・武田
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 「遅れてきた男」が、満面の笑みで歓喜の輪に加わった。王手をかけて迎えた大一番。ソフトバンクの武田は7回を5安打、スコアボードに0を並べた。完封リレー。立役者となった右腕は試合後、ホッと息を吐いた。

 「立ち上がりは緊張して投げ方が分からなくなった。プレッシャーが凄かった」。初回、先頭・茂木の安打などでいきなり2死一、二塁のピンチ。ここで島内を遊ゴロに仕留めると、2回の岡島から4連続三振だ。大量リードにも守られ、ペースを乱すことなく90球を投げきった。

 「日本シリーズでは勝っている。短期決戦は強いと思っているんで」。確かに日本シリーズで2勝も、CSは過去0勝3敗。不思議と白星に縁がなかった。昨年は日本ハムとのファイナルS初戦に先発したが、大谷と投げ合い4回1/3を6失点KO。今年は5戦目にしてようやく巡ってきた出番で、うれしいCS初勝利を手にした。

 シーズンは6勝止まり。3月のWBCに追加招集されたが、帰国後は調子が上がらず、4月に右肩炎症で離脱した。リハビリ中は体重が増え、一方で体力も低下。6月下旬の実戦復帰後も登板中に足をけいれんさせるなど、苦しみ抜いた一年だった。体重は92キロまで増えたが小麦製品を控える「グルテンフリー」で必死に減量。体の切れを取り戻してフォームのバランスも修正した。そして「開き直った」と打者を圧倒。やはり武田に「先発5番手」は似合わない。

 「全力で行けるとこまで行こうと思った。一人一人集中して、勝つことができて良かった」。エースの看板はさびついていない。日本一奪回へ、頼もしい男が帰ってきた。

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2017年10月23日のニュース