【ドラフト連載】三菱日立PS・奥村…波乱万丈154キロ右腕「プロ目指すのは最後」

[ 2017年10月23日 09:35 ]

社会人5年目の25歳。プロ入りへ“ラストイヤー”の奥村
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 【プロ野球ドラフト】三菱日立パワーシステムズ・奥村 政稔

 社会人5年目の25歳。波瀾(はらん)万丈の野球人生を歩んできた奥村は今年のドラフトに懸けている。

 「プロを目指すのは今年で最後。もし指名されなくても、これが人生かなと思う」

 最速154キロを誇る本格派右腕。閉校が決まっていた中津商では3年時に部員10人で最後の夏に臨み、初戦で敗れた。「みんなボロボロだったけれどチームワークは最高だった。貴重な経験をした」。大学中退後に三菱重工長崎に入社。「拾ってもらった恩がある。絶対に返したかった」とエースとして都市対抗出場に貢献した。だが今年1月に横浜との統合が決定。前年の12月に美月夫人と挙式したばかりだった。

 「人生何が起きるか分からない。悔いなくやろう」。それまでやらなかった筋力トレーニングに取り組み都市対抗西関東2次予選では代表決定リーグ第2戦で先発。右手のマメがつぶれ、投げるたびに皮が割けた。ユニホームのズボンを血染めにして6回1失点に抑え、都市対抗出場を決めた。このタフな姿がスカウトの目に留まった。現在複数の球団がリストアップし、調査書も届いている。

 1児の父。「もし指名されたら(1歳の)息子がお父さんはプロ野球選手と分かるまで頑張りたい。自慢の父親になりたい」。その願いは届くか。(松井 いつき)

 ◆奥村 政稔(おくむら・まさと)1992年(平4)8月14日、大分県生まれの25歳。小3から野球を始め捕手。緑ケ丘中野球部で投手に転向、中津商では1年秋からエース。三菱重工長崎ではエースとして15年都市対抗、15、16年日本選手権に導く。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。

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