もう一人の「山本大貴」がドラフト上位候補に急浮上―三菱自動車岡崎の148キロ左腕

[ 2017年10月23日 08:00 ]

運命の「10・26」を待つ三菱自動車岡崎の148キロ左腕・山本大貴
Photo By スポニチ

 プロ野球のドラフト会議は26日に東京都内で開催される。早実・清宮幸太郎内野手(3年)が最大の目玉として注目される中、指名を待つ選手を紹介する。

 高卒4年目左腕の周辺が騒がしくなってきた。18日にあった愛知県野球連盟会長杯・トヨタ自動車戦。阪神は3人態勢で視察するなど、複数球団が山本に熱視線を送った。「2位までに消える。外れ1位があるかも」――。そう指摘する関係者もいるほどその評価は高まってきた。

 グラブをつけた右腕を器用に折りたたむ投球フォームが特徴的だ。リーチが長く、ワンテンポ遅れて左腕が出てくるため、球の出所も見えづらい。小6の時、左肘を剥離骨折したことで、体や肩周りの重要性に気づいたという。ケガが発端で生まれた独特のフォーム。初対面の打者は面食らうだろう。

 「ここ1年で急激に上がった」という球速は昨年から4キロ増の148キロ。転機は昨年5月、会社不祥事による2か月の活動自粛期間中にあった。都市対抗予選の出場辞退で目的を見失ったが、母親の助言で目が覚めたという。「このままでは終われないでしょ」――。食事やウエートトレ、ランニングに重きを置いたことがことしの飛躍につながる。今夏はエースとしてフル回転し、チームを都市対抗出場へと導いた。

 北星学園大付に在籍した高校時代は指名漏れ。縁があって入社した同社で力を蓄えた。「会社に恩返ししたい」と意気込むように、日本選手権初優勝を置き土産にプロの世界へ羽ばたく決意だ。

 高校通算最多111本塁打を誇り、アマ球界の話題を独占してきた早実の清宮。その清宮の記録更新前後にクローズアップされたのは漢字表記では同姓同名で、神港学園時代に107本塁打を放った山本大貴(ひろき)氏だった。今秋は、もう一人の山本大貴が脚光を浴びる番だ。(吉仲 博幸)

 ◇山本 大貴(やまもと・だいき)1995年(平7)11月10日生まれ、北海道札幌市出身の21歳。信濃小3年から「信濃スターズ」で野球を始め、信濃中では「江別リトルシニア」に所属。北星学園大付では1年夏からベンチ入りし、2年秋と3年夏は背番号1。甲子園出場なし。最速148キロ。持ち球はカーブ、縦横スライダー、チェンジアップ、ツーシーム。遠投105メートル。50メートル走6秒3。1メートル82、82キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

2017年10月23日のニュース