代打・乙坂 無我夢中弾「どこに飛んだかも分かりませんでした」

[ 2017年10月16日 05:30 ]

セ・リーグCSファーストS第2戦   DeNA13―6阪神 ( 2017年10月15日    甲子園 )

<神・D>7回1死一、三塁、乙坂は左翼ポール際に3ランを放つ
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 兄貴分に、DeNA・乙坂が続いた。7回に筒香の右前適時打で勝ち越して、なお1死一、三塁で代打出場。桑原の初球の外角145キロに逆らわず、甲子園の左翼ポール際へ勝利を決定付ける3ランを運んだ。

 「打った瞬間はどこに飛んだかも分かりませんでした。どんな形でも、点につなげようと思っていました」

 今季2本塁打の23歳の伏兵が、打った本人もびっくりのビッグショットで乱戦にケリをつけた。「半分ぐらいは、この状況でなかったらヒットではなかった」とラミレス監督が振り返る“泥試合”で、チームで唯一の柵を越える完璧な一打だった。

 オフには横浜高の2年先輩・筒香と合同自主トレを積んできた。その主砲は「普段から一生懸命練習する姿を見ていた。試合中に個人的な感情は持たないが、チームにとって大きかった」と自分のことのように喜んだ。

 「初球をしっかり見逃さずに打った、本当に大きなホームラン」とラミレス監督は就任以来指導する「ファーストストライク」を捉える打撃を評価した。タフな環境下でも9回まで手を緩めない。控えも全員積極性と集中力を失わないチームの強みを、伏兵が具現化した。 (後藤 茂樹)

 ◆乙坂 智(おとさか・とも)1994年(平6)1月6日、神奈川県生まれの23歳。横浜高で3年時に春夏連続甲子園に出場し、11年ドラフト5位でDeNA入り。米国人で元アイスホッケー選手の父と日本人の母を持つ。1メートル82、83キロ。右投げ左打ち。

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