マエケン“新勝利の方程式”PS2勝目 指揮官絶賛「本当に素晴らしい」

[ 2017年10月16日 05:30 ]

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第1戦   ドジャース5―2カブス ( 2017年10月14日    ロサンゼルス )

<ドジャース・カブス>6回途中から3番手で登板し、1回無安打無失点で勝利投手になった前田(AP)
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 ナ・リーグの優勝決定シリーズが14日(日本時間15日)に開幕し、ドジャースがカブスに先勝した。6回途中から3番手で登板した前田健太投手(29)が1回無安打無失点に抑え、ポストシーズンで日本投手3人目の複数勝利となる2勝目。短期決戦の「勝利の方程式」に加わった。アの同シリーズではヤンキースが2連敗した。

 投げた本人が驚く球速だった。2―2の6回1死から救援した前田は、2死から前の打席でエース左腕カーショーから先制2ランを放ったアルモラを迎える。1―1からの内角高めツーシームは95マイル(約153キロ)。胸元に食い込み、三ゴロに打ち取った。

 「思ったよりスピードが出たなという感じがある。しっかり詰まらせてゴロを打たせた。狙い通りだった」

 直後、テーラーが勝ち越しソロ。短い回だから全力で腕を振れる。交代直後の4番コントレラスの遊ゴロに続き、7回先頭のA・ラッセルも1球で左飛に仕留めた。「早いカウントから勝負する」意識で初球は全てスライダー。わずか5球で右打者3人を抑え、左打者を迎えたところで交代した。ポストシーズンで救援に回ってから3回打者9人、26球の完全投球を続けている。

 新しい「勝利の方程式」だ。先発カーショーは5回2失点と本調子ではなかった。中継ぎが苦しんだレギュラーシーズンなら6、7回と投げさせるしかないが、この日はデーブ・ロバーツ監督が2―2の2死二塁で代打を送った。「もう1点取るチャンス。正しい采配だった」。右打者を確実に抑える「新兵器」が勝ちパターンに加わったからこその決断。指揮官は前田を「本当に素晴らしい」と絶賛した。

 救援陣が無安打でつなぎ、ポストシーズン2勝目を手にした前田は「自分の役割を果たせて良かった。誰に勝ちが付こうが、チームが勝てばいい」と笑顔。球団54年ぶりのポストシーズン開幕4連勝を果たしたチームの中で、右腕の存在感は日に日に増している。(ロサンゼルス・奥田 秀樹通信員)

 ≪同一シーズンで3勝を挙げれば史上初≫日本投手のポストシーズン複数勝利は3勝の松坂(現ソフトバンク)、2勝の黒田に続く3人目で、救援では初。同一シーズンで3勝を挙げれば史上初となる。ド軍のポストシーズン開幕4連勝は1963年以来。7回戦制のワールドシリーズのみだった同年はヤンキースに4連勝して世界一になった。

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2017年10月16日のニュース