ギータ打撃3部門トップ 3冠王なら落合らと並ぶ年少タイ記録

[ 2017年7月9日 05:35 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5―2日本ハム ( 2017年7月8日    札幌ドーム )

<日・ソ>初回1死二塁、中越えに先制2ランを放つ柳田
Photo By スポニチ

 3冠王も見えてきた。ソフトバンクの柳田悠岐外野手(28)が8日、日本ハム戦の初回に3戦連発となる先制の中越え23号2ランをマークした。3回にも中前適時打を放ち、3打数2安打で打率・324。すでにリーグトップだった本塁打、打点を含めて打撃3部門のトップに立った。チームも昨年6月以来となる今季初の6連勝で首位をキープ。2年ぶりの日本一奪回へ、その強さが際立っている。

 手負いの柳田だったが、打席に入れば関係ない。初回1死二塁。カウント1―1から井口のカーブをフルスイングした。高く舞い上がった打球は、バックスクリーンに飛び込んだ。

 「いいスイングができた。頭になかった球だったが、ピタッと止まれてうまく反応できた」

 3試合連発となる23号2ラン。前夜、右膝付近に自打球を当てて表情をゆがめた。途中交代し、札幌市内の病院で「右膝膝蓋(しつがい)骨の打撲」と診断されたが、宿舎に戻れば痛みで寝られないこともなく、この日の打撃練習でも快音を響かせた。

 まさに超人ギータだった。「膝が痛くても、出る以上はやるしかないので」。3回無死二塁ではファウルで粘り、7球目を中前適時打をマークした。この日も2安打3打点と大活躍。すでに本塁打、打点は同僚のデスパイネを引き離してリーグトップに立っていたが、試合前は内川に次ぐ2位だった打率も・324とし、現時点で3冠王に躍り出た。

 「それ(打率)は動く数字なので。シーズンも長いし、シーズンが終わってゆっくり休むまで、一日一日頑張るだけ」。数字にはこだわらず、まずは目の前の試合に集中する構えだ。ただ、柳田も「間が長く取れている」と自身の好調を実感している。藤本打撃コーチも「今までで一番良い。15年のトリプルスリーのときよりもね」と目を細めた。

 球団OBの04年松中以来となる13年ぶりの偉業も現実味を帯びるが「トリプルスリー」を達成し、3冠王にも輝いた選手は誰もいない。そんな規格外の男に引っ張られるように、チームは前日に今季初の単独首位に立ち、今季初の6連勝で7月無敗。「うまくいっている打線の中心は柳田」。今季最多の貯金26とした工藤監督も、歴史を変えてしまいそうなスラッガーに賛辞を惜しまなかった。

 ≪なるか年少タイ記録≫柳田(ソ)が3戦連続弾となる決勝2ラン。3試合以上連続本塁打は昨年8月25日から28日の4試合、今季6月7日から9日の3試合に次ぎプロ3度目で、今日も打てば自己最多タイに並ぶ。また、打率を.324に上げ、パ1位に浮上。23本塁打、75打点も1位で、パ3冠部門全てでトップに立った。柳田がこのまま3冠王に輝けば、04年松中(ダイエー)以来史上8人目(12度目)で、38年秋の中島(巨)、82年落合(ロ)の29歳シーズンに並ぶ最年少記録となるがどうか。

続きを表示

この記事のフォト

2017年7月9日のニュース