盛岡大付 10回10―9逆転サヨナラ!打順変更が奏功

[ 2017年3月21日 05:30 ]

第89回センバツ高校野球第2日   盛岡大付10―9高岡商 ( 2017年3月20日    甲子園 )

<盛岡大付・高岡商>延長10回、劇的なサヨナラ勝ちを喜ぶ盛岡大付ナイン
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 1回戦3試合が行われた。盛岡大付(岩手)は延長10回の末、高岡商(富山)に10―9で逆転サヨナラ勝ち。大胆な打順の組み替えが功を奏し、2番・林一樹外野手(3年)がシーソーゲームに決着をつけた。報徳学園(兵庫)は21安打と打線が爆発し、21世紀枠の多治見(岐阜)に21―0で大勝。前橋育英(群馬)は21世紀枠の中村(高知)に5―1で勝ち、春初勝利を挙げた。

 迷いはなかった。1点を追う10回無死二、三塁。盛岡大付の2番・林が2球目の高めに浮いた直球を捉えると、打球は中前へ鋭く抜けた。2人の走者がホームを駆け抜け、今大会初のサヨナラ勝ち。両チーム合わせて27安打の乱打戦に終止符を打った背番号7は、お立ち台で声を弾ませた。

 「思い切っていくしかないと思い、直球一本に絞った。みんなで勝利につなげることができてうれしい」

 元々は投手だったが、「打者でチームに貢献したい」との思いから1年時に外野手に転向。だが、昨夏甲子園はベンチ外だった。冬場は自主練習で「気が済むまで」毎日約2時間の振り込みを行い「逆方向に強い打球が飛ぶようになった」。この冬、チームが専門家を招いて行ったメンタルトレーニングにも意欲的に取り組み、ピンチでもチャンスでもプラス思考に捉えるすべを身に付け、劇打につなげた。

 関口清治監督の大胆な打順組み替えも功を奏した。昨夏甲子園で1本塁打を放った1番・植田の前に「絶対的な打者を9番として入れたい」との理由から、昨秋4番の松田を9番で起用。試合前、松田は植田らに「おまえ9番だって」と冷やかされていたが、2―2の2回に公式戦初アーチとなる一時勝ち越しソロ。10回は四球で出塁し、サヨナラ劇の口火を切った。4打数2安打2打点の松田は「9番には“何で?”と思ったが、監督に聞いて納得した。本塁打を打った瞬間は最高だった」と笑みを浮かべた。

 前回出場の13年は初戦(2回戦)で安田学園(東京)に4―3でサヨナラ勝ちし、春夏通じて甲子園初勝利をマーク。あれから4年、同じサヨナラ発進で盛岡大付が会心のスタートを切った。 (原田 真奈子)

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2017年3月21日のニュース