【キヨシスタイル】侍の活躍で20年東京への道つくれた

[ 2017年3月21日 09:00 ]

無傷の6連勝で準決勝進出した侍ジャパン
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 いやあ盛り上がっているねえ。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。韓国で行われた1次ラウンドを3戦全勝で勝ち上がったイスラエルのように、野球やっていたの?という国が頑張って全体のレベルを上げてくれている。一部の国だけで戦っているイメージが強かった野球の魅力を世界に発信。緊迫感があって見応えあふれる大会になっている。

 各国がしのぎを削る中、我が侍ジャパンは無傷の6連勝で準決勝進出を果たした。大会前はさんざん心配させてくれたけど、本番になったら本領発揮。大谷翔平(日本ハム)の不在を忘れさせてくれるほど全員でその穴を埋めている。

 不動の4番・筒香嘉智(DeNA)と5番に入った中田翔(日本ハム)がいずれも3本塁打。中田は7日、初戦のキューバ戦で流れを引き寄せる二盗も決めた。菊池涼介(広島)が再三の「NINJA」プレーで投手をもり立てれば、小林誠司(巨人)は守って打ってのラッキーボーイになっている。

 準決勝では誰を抑えに持ってくるのかな。継投には不安な部分が残っているけど、小久保裕紀監督を中心に結束。その頑張りは称賛に値する。あと2つ勝って世界一を奪還してくれたら最高だけど、ここまでの戦いで2020年東京五輪・パラリンピックにつながる道をしっかりつくってくれたと思っている。

 野球・ソフトボールが正式種目として、復活する20年。球界だけじゃなく日本のスポーツ界を引っ張ってきたONの大功労に報いる大会になってくれないかな。王貞治さん(ソフトバンク球団会長)は組織委員会の理事として競技運営に携わられるらしい。長嶋茂雄さん(巨人終身名誉監督)には04年のアテネ五輪では脳梗塞にかかり指揮が執れなかった野球の総監督、もしくは最終聖火ランナーになってもらえないかと願っている。

 1996年のアトランタ五輪。パーキンソン病と闘うムハマド・アリさんが震える手で聖火台に点火した感動は今も忘れられない。先日、テレビで対談させてもらった長嶋さんは「聖火ランナーをやってみたいという気持ちは持ってますね」と力強く話してくれた。81歳の今もリハビリ、いや激しいトレーニングを続けられている。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2017年3月21日のニュース