オコエ 藤浪151キロ撃ち!前日4メートル距離からマシン打撃奏功

[ 2016年2月21日 05:30 ]

<神・楽>2回1死一、三塁、藤浪から中前に先制適時打を放つオコエ。打たれた藤浪はこの表情

練習試合 楽天6―2阪神

(2月20日 宜野座)
 藤浪を打った!楽天のオコエ瑠偉外野手(18=関東第一)が阪神との練習試合に「8番・中堅」で先発出場。2回1死一、三塁の第1打席で相手のエース・藤浪晋太郎投手(21)の151キロ直球を中前にはじき返す先制適時打を放った。課題とされてきた速球を見事に攻略した黄金ルーキーは、23日からの宮崎遠征の1軍同行も正式決定。18歳は驚異的な成長スピードで開幕1軍へのアピールを続けている。

 やはり、持っている。同じく甲子園を沸かせた藤浪との初対決。練習試合とはいえ、注目を集めた舞台で臆することなく快音を響かせた。鋭い打球が中前に抜ける。一塁に到達したオコエには、敵味方関係なくファンからの拍手が降り注いだ。

 「とにかく振り遅れないことを意識した。やっぱり藤浪さんの球は速い。(2回は)たまたまタイミングが合っただけ」

 試合後のコメントは謙虚でもオコエは冷静だった。2回1死一、三塁。初球に153キロの剛速球を投じられたが、外角に外れたボールを見逃せたことで余裕が生まれた。2球目の151キロ直球をジャストミート。これまでの過去4試合の実戦で放った3安打は全て変化球だったが、セ・リーグを代表する剛腕から「直球初安打」を記録した。

 「藤浪対策」を立てていた。同じ宜野座で行われた16日の阪神との練習試合では2、4回のいずれも走者を置いた打席で三振。プロのクイックの速さに対応できなかった。今回はクイックはもちろん、球速も一流レベルの藤浪との対戦。これまでは投球に合わせて軸足の右股関節に重心を移してからスイングを行っていたが、この試合では投球前からあらかじめ右股関節に重心を乗せていた。あとは左足の上げ下げでタイミングを合わせるだけ。「変化球も少しは頭に入れていた」と言いながら、151キロに振り遅れることはなかった。

 前日の練習では、球速110キロに設定した打撃用のマシンに約5メートルの距離まで急接近。池山打撃コーチも「体感速度は150キロ」と語る珍しい方法で剛速球にタイミングを合わせる練習を繰り返した。一時は約4メートルの距離まで近づき「これはチャプマンです…」と驚がく。メジャー史上最速の169キロを記録したこともあるヤンキースの守護神左腕をイメージしながら必死にバットを振り、この日最速155キロを計測した藤浪を攻略した。

 3回2死での2度目の対戦は三ゴロに倒れ、4回の守備から交代。オープン戦初戦となる21日の中日戦(北谷)も先発出場する予定だ。梨田監督は「結果も出ているし、守備も問題ない」と評価し、23日からの宮崎遠征についても「連れていく」と1軍同行を明言した。

 ここまで実戦5試合で16打数4安打(打率・250)ながら6打点と勝負強さも持っている。「もちろん1軍にいられるのはうれしい。気合マックスで頑張ります」。オコエは課題と向き合いながら、日々成長する。(山田 忠範)

 ▼阪神・金本監督(オコエについて)高校を卒業して1年目でね。そうは言っても、藤浪からヒットは打てないよ。楽しみよね。

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