こっちの大谷も注目だ 多彩な球種、絶妙制球、そして愛されキャラ

[ 2016年2月21日 09:30 ]

2月14日に誕生ケーキを贈られたロッテ・大谷は期待に応えて“顔面食い”の大ボケ披露

 先輩記者に「キャンプに行くなら大谷のブルペンは見た方がいい」と言われた。と言っても、メジャーも注目する日本ハムの二刀流右腕ではない。ロッテのセットアッパー・大谷だ。私は今季からロッテ担当になり、初めての石垣島キャンプだった。大谷のブルペンを見ると、走者なしのセットポジションやクイックなど、1球ごとに試合を想定しているのが分かった。多彩な球種を捕手の構えたミットへ絶妙のコントロールで投げ分ける。プロの技を見た気がした。

 60球を投げ込んだ後に取材をすると、右手中指の爪の内側に血がにじんでいた。「カットボールを投げるから血が出るんです」と淡々。中指に力を入れるため「流血ブルペン」が日常茶飯事だという。フォークの話を聞いてみると「落差を左足で調節している」と教えてくれた。左足の踏み出し方で「ため」を変えることで落差が変わるという。私は高校まで野球をやっていたが、投手経験がないので、一つ一つの話が新鮮だった。

 キャンプ第3クール最終日の2月14日。大谷の31歳の誕生日だった。名前が日本ハム・大谷と同じで、誕生日はバレンタインデーと同じ。紙面では毎年バレンタイン企画に隠れて、誕生日の話は目立たなかった。そんななか、今年2月14日に報道陣がサプライズでケーキを贈ると、スプーンですくって口に入れると見せかけて眉間の当たりに押し当てる「ケーキ顔面食い」を披露。若手投手陣が爆笑するのを見て、チーム内での愛されキャラが伝わった。

 先日、野球に詳しくない知人の誕生日が2月14日と聞き、真っ先に「大谷さんと一緒じゃん」と言ってしまった。「いや、日本ハムじゃなくてロッテの…」と説明することになった。バレンタインデーよりも31歳右腕の誕生日が思い浮かぶ自分がいた。今季の「ロッテ・大谷」の投球に注目してほしい。(記者コラム・渡辺 剛太)

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2016年2月21日のニュース