エース・カーショー マエケンの相談役快諾!黒田から頼まれた

[ 2016年2月21日 05:30 ]

ドジャーブルーのキャンプ用ユニホームに袖を通しキャンプインした前田

 広島からドジャースに移籍した前田健太投手(27)が20日(日本時間21日未明)、キャンプインした。バッテリー組集合日となった前日には、エースのクレイトン・カーショー投手(27)が相談役に名乗り。かつてド軍に在籍した広島・黒田博樹投手(41)から依頼されたもので、サイ・ヤング賞3度を誇る大リーグ最強左腕の全面サポートを受け、メジャー1年目をスタートさせた。

 ドジャーブルーのキャンプ用ユニホームに袖を通し、前田は緑の芝の上を駆けだした。ついにメジャー1年目のキャンプがスタート。18番を背負い、ストレッチから躍動感があふれた。

 「凄く新鮮な気持ち。初めてのことがたくさんあって、今までにない緊張感の中でやっている」

 前日のバッテリー組集合日には、身体検査を受け、新たなチームメートと体を動かした。絶対的エースから、ルーキーへ。立場は逆転した。新鮮さと戸惑い。「久しぶりにこんなに自己紹介した。日本だとされるのを待つ方だったので」。現地入り後のあいさつ回りは100人以上に上った。そんな汗かくルーキーと初対面し、固く握手を交わしたのが、メジャー最強左腕と名高いカーショーだった。

 「遠慮なく、いつでも分からないことがあれば質問してくれ」と同じ88年生まれでサイ・ヤング賞に3度も輝いている27歳。1週間ほど前、米国で自主トレ中だった元同僚の黒田から連絡があったという。前田のサポートを頼まれ、二つ返事で快諾。「男気」だった。

 2人は同じ08年にメジャーデビューを飾った親友同士。キャッチボール相手で、黒田が11年オフに移籍した時は残留を懇願した。40代を迎えても現役を続ける右腕を尊敬してやまない。昨年の広島復帰後には「投手を引退したら広島カープに移籍して一塁手をやりたい」と真顔で話すほど。前田も1月の入団会見で「カーショーと仲が良いと聞くので、黒田さんに“よろしく伝えておいてください”とお願いしたいですね」と話していた。

 「彼の投球はビデオで見た。成功は疑いがない。適応が必要なのは(登板間などの)ルーティンが変わること」とカーショー。「日本時代に、自分に合っていると思うやり方は変えないことが大事だ」と早速助言した。

 「マウンドもボールも違う。打者も詳しく分からない。これから勉強していかないと」と五里霧中だった前田に現れた、最強の水先案内人。世代をまたぎ、鯉のエースとつむぐ絆がメジャー挑戦を支える。(グレンデール・奥田 秀樹通信員)

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