【石井一久氏が直撃】阿部は強かった巨人の象徴 捕手で本来のいいものを

[ 2016年2月20日 11:32 ]

高橋新監督(右)と対談しガッチリ握手を交わす石井氏

 プロ野球のオープン戦は20日にスタートし、沖縄県内で3試合が行われる。巨人・高橋由伸監督(40)は、DeNA・アレックス・ラミレス監督(41)とのルーキー指揮官対決を前に、スポニチ本紙評論家の石井一久氏(42)のインタビューに応じた。現役時代から好敵手だった2人だが、実は中学時代からお互いを知っていたという間柄。ここまでのキャンプの手応え、ベテラン勢の役割、新戦力の評価などに話が及んだ。 (構成・甘利 陽一)

 石井 「監督」って呼ぶのは、何か恥ずかしいね。昔から知っているから。どうですか?慣れましたか?

 高橋 少しずつではありますけど、まだ試合の結果もそこまで関係ないので、もうひとつ実感とまではいかないですね。

 石井 でも、グラウンドに立っている姿が凄くどっしりしている。

 高橋 ジタバタしていないような姿を一生懸命見せようと(笑い)。

 石井 現役を辞めて、すぐに監督になったので、戦力を把握しているから慌てないのかなと。新監督だけど、それは最大の強みだと思う。

 高橋 私もそれはいいことだと思います。ただ、距離が近いというのは、悪いところもあるのかなと。特に声を掛ける時は今まで以上に気をつけていますね。選手は今までの「先輩・高橋由伸」の言葉でなく、「監督」の言葉として受け止めてしまうので。

 石井 ここまでのキャンプを振り返り、レギュラー争いが熾烈(しれつ)という印象がある。

 高橋 熾烈と言えばいい表現ですが、嫌な言い方をすると、この選手は外せないという選手もいない。そういった言い方になってしまうかも。優勝したヤクルトなら山田、川端、畠山がいて、DeNAは筒香が4番でどっしり構えているというイメージがある。

 石井 その意味では、阿部をゲームの状況を中心で見る捕手に戻した。

 高橋 阿部はここ数年、強かった時のジャイアンツの象徴で、チームに与える影響も大きい。彼自身にとっても、昨年は一塁手で過ごして、本人がどう感じたかは分からないですけど、捕手に戻ることでもう一度、本来のいいものを取り戻す意味でもいいのかなと。

 石井 あとは主将2年目の坂本に期待するところも大きいのでは。何か変化は?

 高橋 昨年は遠慮もあったと思いますが、年数、実績から言って、もう若手ではない。今年はチームを引っ張っていこうという雰囲気が見える。ただ、姿勢だけではダメ。当然、結果も数字も残さないといけない。

 石井 坂本はもう一段階、成績を上げないといけないと自分でも思っているのでは。

 高橋 そうですね。プロに入って最初は良かったけど、正直、年々成績は下がってきている。でも、まだまだこれからの年齢。本人が一番分かっているでしょう。

 石井 若い選手は使いながら育てていくのか。

 高橋 どうでしょう。当然、世代交代という話にはなりますが、使って育てがいがあればそうしますが、岡本であったり、小林は、まずはどこまで村田や阿部に追いつけるかだと思います。

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