ダル、清原容疑者に復帰の道を!日米に差 薬物問題で持論語る

[ 2016年2月20日 05:33 ]

11年、日本ハム在籍時、取材で訪れた清原容疑者(左)と握手を交わすダルビッシュ

 レンジャーズのダルビッシュ有投手(29)が18日(日本時間19日)、覚せい剤所持容疑で逮捕された元プロ野球選手の清原和博容疑者(48)について初めて言及。更生プログラムなどを受けた上で球界などに社会復帰する道を閉ざすべきではないとの持論を語った。清原容疑者とは親交もあったダルビッシュ。過去に薬物に手を染めた大リーグのチームメートらの名を挙げ、米国ではセカンドチャンスが与えられると指摘した。

 ダルビッシュは真新しいクラブハウスの自分のロッカーの前で、相手の目をよく見ながら丁寧に自分の意見を話し始めた。「もちろんよくないことです」と薬物使用については強く前置きした上で「誰にでも間違いはある。単に叩くだけでは何にもならない。米国ではそういう選手でも、もう一度チャンスをもらえている」と問題提起した。

 米国のケースとして、コカイン依存症から復活し、リーグMVPも獲得したチームメートのハミルトンと、ダルビッシュの入団時の指揮官で、在任期間中にコカイン使用が発覚したロン・ワシントン前監督の名前を挙げた。「日本もセカンドチャンスが持てる社会になっていかないと。もし更生できて復帰し、優勝監督にでもなったら、日本は変わる」と続けた。

 ダルビッシュと清原容疑者は、機会は多くないが、親交はあった。プロ2年目に当時オリックスの同容疑者と対戦。「プロに入ったばかりで死球を当ててしまった。動揺していたら、数日後“気にするな”とメモをもらい、電話番号もあった。電話はできなかったですけど」。このオフも、知人の連絡を受け同容疑者親子の野球の練習も手伝った。右肘手術からのリハビリ中とあり、左投げで打撃投手役も務めた。

 これまでは口を閉ざしていたが、清原容疑者の置かれた現在の状況は厳しく、球界復帰は絶望的であるように、ダルビッシュには映った。「甲子園で13本も本塁打を打たれ、プロでもすぐに31本塁打。桑田さんと一緒に高校野球のブームをつくって盛り上げた人。あの清原和博さんをこのままつぶしていいのか。今は周りが終わらせようとしている」と語った。

 ただ、覚せい剤と一言でいっても種類や危険度、依存度などはケース・バイ・ケース。コカインに関して言えば、米国では、密売人こそが悪いという考えが一般的で、常習者は病人と扱われ、更生を支援するプログラムも根付いている。日本と米国を単純に比較することはできないが「覚せい剤は誰でも陥る危険性はある。周りに誰もいなくなり寂しくなったら絶対やらないとは言えない」と薬物の闇の深さについても持論を展開した。

 「悪いことは悪い。罰を受けた上で、日本社会で更生するチャンスがないと。人一人つぶしても何にもならない」。もちろん罪を認め、つぐない、施設などでのリハビリを経て薬物依存の完全脱却は大前提となる。持論を説いた右腕は「こういう意見の人はいないんですかね」と結んだ。(サプライズ・奥田 秀樹通信員)

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