雄星「まさか」の開幕投手抜てき!2桁勝利未経験は球団61年ぶり

[ 2016年2月20日 05:45 ]

任せた!開幕投手に指名された菊池(左)はチーム戦鬼ごっこ「ケイドロ」で岸にタッチされ復活

 サプライズだ!西武・菊池雄星投手(24)が3月25日のオリックスとの開幕戦(西武プリンス)で、プロ7年目で自身初の開幕投手を務めることが決まった。菊池は13、15年の9勝がシーズン最多で、2桁勝利未経験で開幕戦に先発するのは球団では61年ぶり。飛躍への期待も込めて抜てきされた。

 大役を担うのは2桁勝利7度を誇る大本命のエース・岸ではなく、背番号「16」だった。宮崎・南郷キャンプが打ち上げを迎えたこの日、田辺監督は「開幕投手?第4クール初日の練習前に伝えたよ。初日って何日だ?16日だろ。16だよ」と不敵に笑った。背負う数字にちなんだ、粋な伝達だ。「開幕は任せた。チームに勢いがつくように、しっかりとやってくれ」と声を掛けたという。

 南郷スタジアムの一室で受けた指名は、菊池にとって驚き以外の何物でもなかった。「ビックリしました。まさか僕だとは思ってもいなかったので」と、その瞬間を思い出しながら目を見開いた。「絶対に負けられない試合。責任を感じますし、期待に応えたい」。強い決意が言葉になった。

 田辺監督は起用の理由を「実績プラス相性」と説明した。菊池はオリックスに対して通算19試合で7勝3敗1セーブ、防御率2・70。西武プリンスドームに限ると8試合で4勝0敗、防御率2・01と「キラー」ぶりが際立つ。本人も「苦手意識はない」と言い切る。

 MAX157キロの剛球を備えながら、ひと皮むけきれなかった6年間。指揮官の「自覚と責任を持つ年齢になってきた」というハッパを、菊池は「いつまでも先輩について行くのではなく、結果で引っ張っていきたい」と受け止めた。8年ぶりの優勝を目指すチームのスタートダッシュは、左腕史上最速の男に託された。(重光 晋太郎)

続きを表示

2016年2月20日のニュース