山田久志臨時コーチ 金子に厳命!20勝&沢村賞&優勝&開幕投手

[ 2016年2月8日 08:30 ]

ブルペンで山田臨時コーチから声をかけられ、笑顔を見せる金子

 オリックス・金子千尋投手(32)が7日、山田久志臨時投手コーチ(67)から「4つのハードル」を課された。(1)20勝(2)沢村賞(3)優勝(4)開幕投手――。通算284勝のOB会長から、強いオリックスの復活と伝説的投手の誕生を期待された。

 思わず金子から笑みが漏れた。今キャンプ初の投球練習を行うために向かったブルペン。山田臨時投手コーチからかけられた言葉に笑うしかないというのが本当のところなのかもしれない。その会話の内容は、同コーチが明かした。

 「金子にはハッキリとした要望を伝えた。20勝、沢村賞、そして優勝してチームを日本シリーズへと導く。あなたならできる、やってみて下さいと言った。あと開幕投手もお願いします、とね」

 今や球界を代表する大エースだが、4項目の同時達成はやはり条件的に相当厳しい。直近では03年のダイエー(当時)斉藤和巳と阪神・井川慶がクリア。だが、それ以前となると75年の広島・外木場義郎までさかのぼる。パ・リーグの投手が沢村賞の対象となったのは89年以降のため、20勝以上4度、優勝8度、開幕投手12度の山田コーチにも経験はない。それでも、それだけの偉業だからこそ、自身に求められるのもわかっている。

 ブルペンではシュート、チェンジアップを交えて31球を投げた。「順調かどうかは今、決めることではないですが、投げられるので去年と全く状況は違う。肘、肩を気にせず、ちゃんと腕が振れるので、変なストレスがない」

 右肘の手術明けだった昨年の同時期とは状態がまったく違う。体が万全であるだけで、笑顔になれる。今後の調整は「今日、全て決めるわけではない」とし、日々の状態を見極めながら強度を上げていく。

 最も4項目クリアに近付いたのは2014年。開幕投手を務め、16勝を挙げて沢村賞を受賞し、チームを2位へと浮上させた。自身5度目の開幕投手が確実なため、まずは1項目をクリアできる状況にはある。困難ではあるが、決して夢ではない。2つ、3つとクリアしていくにつれ、20年ぶりのリーグ優勝という4つめが確かに見えてくる(桜井 克也)

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2016年2月8日のニュース