高梨、紅白戦でアピール大谷K斬り プロ0勝3年目右腕が大飛躍

[ 2016年2月8日 05:30 ]

1回表先頭、大谷翔平を空振り三振に仕留めた高梨

日本ハム紅白戦 白組0―0紅組

(2月6日 ピオリア)
 日本ハムキャンプ初の実戦となった紅白戦で主役に躍り出たのは、メジャー8球団が視察する大谷ではなく、プロ2年間で未勝利の高梨だった。

 初回だ。白組で先発し、紅組「1番・DH」の大谷といきなり激突。無名右腕が空振り三振を奪った。「(過去2年も含め)翔平とは初めての対戦。真っすぐで押して、フォークで決めようと思った。直球でファウルをとれたのでいけると思った」。直球は最速148キロをマークし、フォークも落ちた。すべてが高梨の狙い通りだった。

 「昨季が終わってから“開幕ローテーションでやっていく”という目標を立てた。この日に200%の力でやれるように合わせてきた」

 先発枠入りへの猛アピールを期した登板。2番の岸里も3球三振させ、2回には主力打者のレアード、中島から三振を奪った。2回を4奪三振、打者6人で片づける圧巻の完全投球を演じた。

 13年ドラフトでの入団はチームに8人。高卒だった渡辺、石川亮、岸里も含め、7選手が1年目から1軍を経験した中、高梨だけは最後まで2軍で終わった。昨季は5月3日のロッテ戦(QVCマリン)でプロ初先発。ここでは4回途中で4失点KOとなったが、2軍で11勝を挙げた。114回2/3で122奪三振と、球持ちのよさを武器に、空振りをとれる長所が開花しつつあった。

 このオフから背中を中心に上半身強化に着手。栗山監督は「手元でボールをもうひとつ押し込めている」と評価した。山梨学院大時代の監督・高橋一三氏は元巨人の左腕エースで、昨年7月に亡くなった。アリゾナの青空の下、「活躍することが恩返しになる」と誓いも新た。今季、スキー女子ジャンプで活躍する同姓の沙羅同様に、北の大地で勇躍する。(横市 勇)

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2016年2月8日のニュース