内川、意地のサヨナラ打!ロッテに阻まれ続けた「負の歴史」変える

[ 2015年10月15日 05:30 ]

<ソ・ロ>延長10回1死満塁、サヨナラ打を放った内川は歓喜の輪の一番下でもみくちゃ

パ・リーグCSファイナルS第1戦 ソフトバンク3-2ロッテ

(10月14日 ヤフオクD)
 下克上はさせない。パ・リーグのソフトバンクは14日、延長10回1死満塁から4番・内川聖一外野手(33)が右前にサヨナラ打を放ち、3位から勝ち上がったロッテを3―2で下した。05年のプレーオフ、10年のファイナルステージで敗れた因縁の相手に先勝。1勝のアドバンテージがあるソフトバンクは2勝となり、15日の第2戦に勝てば、日本シリーズ進出に王手をかける。

 同点の延長10回1死満塁。2ボール2ストライクとロッテ・内から追い込まれた内川は、外角低めの136キロカットボールに食らいついた。見送ればボールかもしれない球だったが、巧みなバットコントロールで右前へ運んだ。

 「良かったです。本当にホッとした。ヒットじゃなくても、バットに当たって(三塁走者の)上林が還って来てくれればいいと思った。アウトでも何でも良かった」。ポストシーズン自身初のサヨナラ打。両手を突き上げた背番号1は、右足スパイクが破れるほど、もみくちゃにされた。

 直前の1死一、三塁で柳田が3ボールになった瞬間、内川は「やっぱりな」と思ったという。今季トリプルスリーを達成した3番・柳田が歩かされる場面は幾度となく経験した。主将と4番の責任感から打席で力み、シーズン両リーグ最多の24併殺打を記録した。

 9月下旬に工藤監督と面談し、その苦悩から解放された。右打者史上初の8年連続打率3割を捨て、終盤2試合に欠場して練習で調整する道を選んだ。「誰もやったことのない場所へ到達したいのは本音でした。ただ記録をつくりたいから3割を打ってきたわけではない」とCSに照準を合わせた。前日13日に内川を打線のキーマンに挙げていた工藤監督は「プレッシャーのかかるところだったけどね。勇気を持って振ってくれた」とねぎらった。

 ポストシーズンでは誰よりも頼りになる。内川が横浜からFA移籍してきた11年CSファイナルS。西武に3連勝し、アドバンテージを含む4勝0敗で日本シリーズ出場を決めた。ソフトバンクは04年以降のポストシーズンで前年まで6度の敗退を喫していたが、内川がMVPの活躍を見せて負の歴史を変えた。

 1勝のアドバンテージを持つリーグ王者がつかんだ大きな白星。ロッテとはプレーオフ、CSで過去3度対戦して全て敗れているが、最後の対戦は内川が移籍する前の10年のCSファイナルSだった。頼りになる主将がいる今年は下克上を許さない。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・上林(延長10回に代打。暴投による振り逃げでサヨナラ勝ちにつなげる)変な形でだけど少し貢献できた。次からはしっかり貢献したい。

 ▼ソフトバンク・五十嵐(延長10回から登板。1回無失点で勝ち投手)集中力を切らしたら負けの状況で勝ててうれしい。この勢いを次に生かしたい。

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