阪神 金本氏と近く2回目交渉へ 時間ない…組閣、編成山積み

[ 2015年10月7日 08:30 ]

金本氏

 残された時間は、決して多くはない。来季の新監督候補として、金本知憲氏(47=スポニチ本紙評論家)の招へいに動いている阪神が、その動きを加速させる方針であることが6日、分かった。すでに1日、極秘で就任要請交渉を開始したが、その席上では来季の組閣、チーム編成まで話が及ばなかった。早ければ7日にも今季の戦いが終了し、8日からは新チームへの移行を開始する必要があるため、球団側に焦りが生じているもようだ。

 時間がない…。早ければ7日にも終戦を迎え、8日からは新チームへの移行を開始する必要に迫られている阪神。すでに9月30日付で和田監督の退任を発表しており、新体制になることが決定している。だが現段階での決定事項は、それだけ。すでに新監督候補として金本氏の招へいに動いているものの、決定には至っていない。組閣、チーム編成は、まだ手つかずの状態。チームの根幹を成す新監督が決まらなくては、話を進めようがないからだ。

 「前回交渉では来季に向けた組閣、チーム編成の話は一切、出ていませんからね…」

 球団幹部の表情にも、焦りの色が浮かぶ。球団は今月1日、兵庫県内のホテルで金本氏と極秘裏に会談し、監督就任要請の交渉を開始した。およそ2時間の会談後、金本氏が「組閣を巡って球団とギャップ」という一部報道も流れた。球団の組閣案に金本氏が難色を示した―という内容だった。だが、事実は違う。実際は、球団側が新監督への就任を要請して熱意を伝えた後、チーム変革に向けた双方の考え方、将来のビジョンなどの話題に終始したという。結局、第1回交渉では組閣、チーム編成まで話が及ばなかったというのが実情だ。

 交渉とは、お互いの考え方を理解し、本音をぶつけ合い、その上で条件をすり合わせ、結論に至るもの。そう考えると今回の金本氏招へい交渉の進ちょく具合は、まだ第一段階に過ぎない。だが、時間は待ってくれない。だから球団は、焦りを隠せないわけだ。

 来季へ向け、一刻も早く着手しなければならない事柄がある。その筆頭こそが組閣だ。まずは、現政権下で働いているコーチ陣の去就を決定しなければならない。その動きと並行して新たに迎え入れる人材の人選、招へいを進める必要もある。そこにはもちろん、新監督の意向が大きく影響することになる。そうして新体制を整えた上で、秋季練習、秋季キャンプに臨むのが理想だ。

 加えて外国人の去就を決定するなどチーム編成を整備し、今月22日に迫るドラフト会議へ向けた方針や戦略も練らなければならない。新監督の意向を踏まえなければ決定できないものばかりだ。球団は「金本体制」への移行を急ぎたいのが本音。そこで近く2回目の交渉の場を設けて交渉ペースを加速させ、招へい活動を活発化させる構えだ。

 ≪これまでの経緯≫

 ▽15年9月27日 広島に敗れてリーグ優勝が完全消滅し、和田監督の退任が決定的に。新監督候補が金本氏に一本化されたことが判明した。

 ▽同30日 球団取締役会で和田監督の退任が決定。その後の坂井オーナーと南球団社長のトップ会談で金本氏への就任要請が決まる。

 ▽10月1日 金本氏が南球団社長らと、兵庫県内のホテルで極秘会談。

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2015年10月7日のニュース