マー君 WCで雄叫び解禁へ 米では封印も「やっぱりいい方向につながる」

[ 2015年10月7日 05:30 ]

ワイルドカードゲームを翌日に控え、チームメートとキャッチボールで調整する田中

ア・リーグ ワイルドカードゲーム ヤンキース―アストロズ

(10月6日 ニューヨーク)
 勝利の雄叫びを上げる。ヤンキースの田中将大投手(26)が6日(日本時間7日午前9時8分開始)、本拠地でのアストロズとのワイルドカード(WC)ゲームに先発する。地区シリーズ進出を懸けた一戦を控えた5日(同6日)、田中はメジャーでは控えていた試合中の雄叫びを解禁し、アクセル全開の投球を宣言。アルコール依存症治療のためC・C・サバシア投手(35)が離脱したチームを救うため、一発勝負の大一番で田中が本領を発揮する。

 緊張ではなく、思いの強さで表情は引き締まっていた。この日、ヤンキースタジアムでキャッチボールなどを行い最終調整した田中。ポストシーズンを意味する「October(10月)」の文字がプリントされたパーカをまとい、言葉を選びながら決戦への意気込みを口にした。

 「シーズンとは違い、その試合でどうなるかというのは高校以来。内容はどれだけ汚くても、失点を防いで投げることが大事。どういう形であれ失点を防いで、いい形でリリーフ陣につなぐことが大事」

 地区シリーズ進出を懸けた一発勝負でレギュラーシーズンとはまた違った姿を見せる。試合中の雄叫びの解禁だ。「それ(雄叫び)は、やっぱりいい方向につながっていくと思う」。楽天時代の13年、巨人との日本シリーズではピンチで空振り三振を奪った際の雄叫びでロペス(現DeNA)を激怒させた。メジャーでは1試合に1度ほどと控えているが、相手を怒らせない叫び方も覚えた。ジョー・ジラルディ監督も「投球を組み立てる能力があるし、空振りも奪える。闘争心もある」と期待する。

 相手は2年連続200安打、38盗塁をマークした25歳の1番アルテューベや、21歳の新人ながら22本塁打の3番コレアら若さと勢いのあるア軍だ。メジャーで対戦は1度だけ。今年6月27日には5回を投げ3本塁打を含む7安打6失点(勝ち負けなし)だったが「その時は状態もあまりいい時期ではなかった。明日は自分にとっていい登板にしたい」と自信を見せた。今季20勝(8敗)を挙げて最多勝に輝いた左腕・カイケルとの投げ合いで一歩も引かない構えでいる。

 結果が全て。覚悟を決めた田中は言った。「勝てば風向きが変わっていい方向にどんどんつながっていく。そのために自分もいいピッチングがしたい」。結果に加えチームに勇気をもたらす、エースの投球を誓った。 (春川 英樹)

 ▼ア軍、A・J・ヒンチ監督 田中はスプリットをストライクゾーンや低めに投げる時は、本当に効果的な投球をする。低めの見極めが重要になる。

 ▽ワイルドカードゲーム 地区シリーズ進出を懸けた1試合のみの決定戦。ア、ナ両リーグで地区優勝した3チームを除く勝率上位2チームが対戦する。12年から新設された。12年にはレンジャーズ・ダルビッシュが先発して敗戦投手に。昨年はロイヤルズ・青木が延長12回、劇的な逆転サヨナラでアスレチックスを下し、その勢いのままワールドシリーズ進出を果たした。

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