ロッテ涌井「自信がある」最多勝弾みに 再び中4日でCS第2戦へ

[ 2015年10月7日 05:30 ]

<楽・ロ>涌井はプレゼントされた15勝目のウイニングボールを惜しげもなくスタンドに投げ込む

パ・リーグ ロッテ9-3楽天

(10月6日 コボスタ宮城)
 ロッテの涌井秀章投手(29)は6日、シーズン最終戦で執念の最多勝に輝いた。中4日で楽天戦に先発し、延長10回まで今季最多137球の熱投。11回に味方が勝ち越し、15勝目を手にし、日本ハム・大谷翔平投手(21)に並んだ。チーム一丸で6年ぶり3度目の勲章を獲得したエースは、10日開幕の日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは再び中4日で第2戦に先発する予定だ。パ・リーグはこの日で全日程が終了した。
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 疲れはない。球数の分だけ喜びは大きかった。143試合目でつかんだ自身3度目となる最多勝。涌井は「まさか延長になるとは思ってなかった。最後の最後で感謝、感謝の最多賞。もちろんまだまだ全然投げられましたよ」と涼しい顔で言った。エースとしてチームを支えた「鉄腕」は最高のご褒美を手にした。

 志願して中4日で上がったシーズン最終戦のマウンド。1―1の6回、2本の適時打を浴びて2点を勝ち越された。10日からは大事なCSも始まる。ベンチに下がると伊東監督に「もう代わります」と告げた。ところが、7回に打線が奮起して同点に。「みんなが自分のために頑張ってくれた。それに応えようと投げた」。仲間を信じて7回以降は楽天打線を無安打抑えた。すると、11回に打線が一挙6点。最多勝を確定させ、その裏は内にマウンドを譲った。

 2年ぶりのCS進出を決めた4日の日本ハム戦(QVCマリン)の試合後、伊東監督に「最終戦で投げさせてもらえませんか?(最多勝は)そうはないチャンスなので。CSは中4日で(11日の第2戦に)投げます」と直談判した。もともと、最終戦までCS進出が決まっていなければエースを投入する予定だった。だが、3位以上が確定したことで10日のCSファーストS初戦で登板させる方針だったが、首脳陣は涌井のタイトルへの執念を受け入れた。

 個人タイトルだけを優先したわけではない。伊東監督は「最後にワクが勝って終われたのは、次につながる」。エースの最多勝獲得はチームの願いでもあった。試合中もベンチ内では「何としても勝ちをつけるぞ!」と声が飛び交い、CSを前にチームの結束力はさらに強くなった。

 涌井は中4日で第2戦に先発する予定だ。「もともと最終戦に合わせて調整してきた。CSで投げられない球数じゃない」。チームは4連勝でシーズンを締めくくり、最高の形でCSへと突入する。「(ロッテが)一番勢いがある。勝ち抜ける自信もある」と言い切った背番号16は、5年ぶりの「下克上」を狙うチームを日本一に導く。 (重光 晋太郎)

 ≪6年ぶり3度目 2球団では7人目≫涌井(ロ)が今季15勝目。大谷(日)の勝ち星に並び、西武時代の07、09年以来自身3度目の最多勝に輝いた。同タイトルを3度以上は、スタルヒン(巨、大映)の6度を筆頭に史上13人目。また、2球団での獲得は、スタルヒン、別所毅彦(南海、巨)、川崎徳次(巨、西鉄)、金田留広(東映、ロ)、岩隈久志(近鉄、楽)、グライシンガー(ヤ、巨)に次ぎ7人目だ。

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