“千両役者”小笠原、登録即V打「最高です」来季去就には触れず

[ 2015年9月12日 18:46 ]

<中・ヤ>スタンドにサインボールを投げ入れる小笠原

セ・リーグ 中日3―2ヤクルト

(9月12日 ナゴヤD)
 中日の41歳・小笠原がベテランの意地を見せた。この日、2カ月ぶりに出場選手登録され、2―2で迎えた6回2死満塁で代打に登場。見事に右前へ勝ち越しの決勝打を放ち、首位・ヤクルト撃破の立役者となった。

 打席に入る際や打った瞬間はもちろん、代走・杉山が出てベンチに下がる際もひたすら大きな声援をその体に浴びた。試合後のヒーローインタビュー。声を詰まらせる場面はなかったものの、その瞳にはうっすらと涙が浮かび、カクテル光線に照らされてキラキラと光った。

 今季限りでの現役引退が濃厚となる中、出場選手登録、即V打。「う~ん…」と一瞬うなった後で「最高です」と切り出した小笠原は、「グラウンドに足を踏み入れた瞬間から、これだけの人が声援をくれたこと…ただ、その声援に応えるためにと必死に食らいついていきました」と打席に入る時の気持ちを振り返ると、「2死でしたし、打つしかないと思っていたんですけど、ただ闇雲にいくんではなく、しっかりと1球で仕留められるようにと。うまい具合に仕留められて良かったです」と殊勲打の瞬間を語った。

 お立ち台では、今後の去就についてもインタビュアーから質問が飛んだ。だが、それには「まずはあした、また勝てるように全員で頑張っていきたい」とだけ答えた小笠原。谷繁兼任監督は「本当に貴重なタイムリーを打ってくれた。ああいう声援にしっかり応える小笠原はさすがですね」と賛辞を送り、「彼の集中力っていうのは長年かけてできたものだと思うが、少しでもそういう姿を見て若い選手が取り入れてくれたらいい」と噛みしめるように語った。

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2015年9月12日のニュース