県岐阜商・高橋にスカウト12球団45人 中日「1位競合」巨人「Aクラス」

[ 2015年5月11日 06:15 ]

<県岐阜商・宮崎学園>力投する県岐阜商の高橋

第52回MRT招待高校野球 県岐阜商2―0宮崎学園

(5月10日 サンマリン宮崎)
 今秋ドラフト1位候補の県岐阜商・高橋純平投手(3年)が10日、宮崎市で行われた招待試合に先発し、12球団計45人のスカウトの視線を独占した。宮崎学園戦に先発し、8回をわずか76球で4安打無失点。武器であるスライダーを封印し、最速147キロの直球とカーブだけで三塁も踏ませなかった。また、東海大相模の小笠原慎之介、吉田凌両投手(ともに3年)も登場。宮崎がドラフト候補腕の競演に沸いた。

 初夏のような陽気に包まれたサンマリンスタジアム宮崎。親子連れや野球少年が観戦を楽しむ中、ネット裏の一角はワイシャツ姿のスカウトが一斉にスピードガンとビデオを構える異様な光景が広がっていた。12球団の編成トップや部長クラスらが勢ぞろいし、その数はなんと45人。一番のお目当ては、今春センバツ8強の右腕・高橋だ。

 そんな熱い視線を浴びながらも、高橋は甲子園で見せた冷静沈着なマウンドさばきで、淡々とアウトを重ねていった。直球狙いの打線に対し「初回に力を入れたけど、相手が対応してきたので、カーブを多めにして、1、2球で打たせることを心がけた」。最速152キロを誇るが、この日は147キロ止まり。一級品と称されるスライダーを「極力とっておこうと思った」とあえて封印した。

 センバツ準々決勝の浦和学院戦では速球を狙われ、11安打5失点で敗れた。その教訓を生かし、直球とカーブだけの新たな組み立てで、8回を4安打無失点。奪三振は6個と抑えめながら、1イニング平均10球を切る76球の省エネ投球でまとめた。

 打撃でも5番に座り、6回に左前適時打と非凡なセンスを見せつけた高橋。中日・中田宗男スカウト部長は「いろんなことを試している。やはりトップクラス。複数球団が1位で競合するのではないか」とホレ直し、巨人・山下哲治スカウト部長も「高橋と東海大相模の小笠原、吉田はAクラス」と太鼓判を押した。

 8日に誕生日を迎え、18歳になって初の登板。「移動日だったけど、(4番の)竹腰とかがコンビニでケーキを買ってお祝いしてくれました」と照れ笑いし、高校生らしい一面ものぞかせた。「宮崎は初めて。甲子園以降では一番良い球場でした。楽しめました。高校野球も残り少ないので、一回一回を丁寧に戦えたら」。最後の夏まであと約3カ月。高橋はセンバツの悔しさを晴らすために進化を続ける。

 ▼ヤクルト・小川淳司編成部シニアディレクター まとまりすぎている感じもしたので、大胆なところを見たかった。それでも素材としては素晴らしい。

 ◆高橋 純平(たかはし・じゅんぺい)1997(平成9)年5月8日、岐阜県生まれの18歳。梅林小2年から「梅林スポーツ少年団」で野球を始め、梅林中では「揖斐本巣パワーズ」に所属して投手兼外野手。中3秋に142キロを計測した。県岐阜商では1年春からベンチ入りし、2年夏は県大会4強。最速152キロで、持ち球はカーブ、スライダー、スプリット。1メートル83、76キロ。右投げ右打ち。

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