今季初マートン外しも不発…阪神優勝“デッドライン”6・5ゲーム差目前

[ 2015年5月11日 07:25 ]

<神・広>9回、平田ヘッドコーチ(中央)と関川打撃コーチ(右)が目を覆う中、まっすぐ前を見据える和田監督

セ・リーグ 阪神2-7広島

(5月10日 甲子園)
 打線のテコ入れも不発に終わった。虎党も、怒るのに疲れたのではないだろうか。藤浪、能見、メッセンジャーの先発3本柱を立てて臨んだ3連戦は計25点を奪われ、5点しか取れなかった。試合後のインタビュールームに和田監督の敗戦の弁がむなしく響き渡った。

 「この3連戦とも、同じような内容のゲームをしてしまって非常に申し訳ない気持ちがあるけど…。今はそれよりも、ここから、どう立て直して這い上がって行くか。みんな、ちょっと硬いのと、空回りしているのと両極端でね。今は、うまくいかないけどね」

 本当に、すべてがうまくいかない。この日、試合前練習開始時のグラウンドに和田監督とマートンの姿がなかった。練習開始から約1時間遅れてマートンは出てきたが、ノーコメント。指揮官は最後まで、姿を現さなかった。2人は、クラブハウスで話し合いの場を持ったもよう。そして今季初めて、スタメンからマートンの名が消えた。不振続きの打線への、テコ入れ策が敢行された。

 だが…。勝負手も機能しない。マートンの代わりに「6番・左翼」を任された新井は、3打数3三振で途中交代。窮余の策も、まったく効果がなかった。打線は相変わらず元気がなく、広島投手陣の前に7安打2得点。「ボール球に手を出して、いい球を打てていない。それだけ」と関川打撃コーチ。援護どころかその拙攻が、先発・メッセンジャーを追い詰める一因にもなった格好だ。

 この日で首位・DeNAとは6ゲーム差。阪神が最大ゲーム差を跳ね返して優勝したのが64年の6・5差だった。優勝へのデッドラインが、目前に迫る。だが、まだ35試合。シーズンは108試合も残っている。

 「(マートンは)なかなか状態が上がってこなくて本人も苦しいと思うけど。きょうでリセットして。いつまでもベンチに置いておく選手ではないから。(次戦は先発起用?)そのつもりでいる」。指揮官は頭を冷やした背番号9を再び戦列に加え、12日から東京遠征に向かう。

 ≪6・5ゲームが“デッドライン”≫阪神は3連敗で今季最多タイの借金5。首位のDeNAとのゲーム差は最大の6となった。プロ野球の最大ゲーム差からの逆転優勝は63年西鉄(現西武)の14・5ゲームがあるが、阪神の過去5度(62、64、85、03、05年)のリーグ優勝で最大は、64年7月26日の時点で大洋(現DeNA)につけられた6・5ゲーム。あすの勝敗次第でチームの“デッドライン”を越えることになる。

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