開幕投手がもう5敗目…メッセ抹消 代役は新助っ人サンティアゴ

[ 2015年5月11日 05:30 ]

<神・広>6回2死一塁、会沢に2ランを打たれたメッセンジャー

セ・リーグ 阪神2-7広島

(5月10日 甲子園)
 阪神のランディ・メッセンジャー投手(33)が11日、不振のため出場選手登録を抹消されることが決定的となった。中5日を希望して背水で臨んだ10日の広島戦(甲子園)で6回5失点KO。両リーグワーストの5敗目を喫した。チームは、今季2度目の同一カード3連敗を喫して、最下位に沈んだ2001年以来14年ぶりとなるリーグ最速の20敗に到達した。開幕投手がローテーションから姿を消す緊急事態だ。

 復活劇は幻に終わった。メッセンジャーが6回7安打5失点で降板。2試合続けて5失点以上でのKOを食らい、試合後のコーチ会議で出場選手登録を抹消されることが決まった模様だ。

 「…」

 試合後、報道陣の質問を一切、受けつけることなく、大きく肩を揺らして足早にクラブハウスへ消えた。気合は空回りしてしまった。これまでの長髪を短く刈り込んでマウンドに上がると、初回は140キロ台後半の直球を主体に田中、菊池を連続三振に斬るなど無失点に抑え、快投を予感させた。

 だが、終わってみれば、見せ場はここだけだった。2回、2死二塁から会沢には外角へ投じた149キロ直球を右前に運ばれてあっさりと先制点を献上。5回には重盗で失点し、6回にも会沢に左翼へダメ押しとなる2ランを浴びた。

 投手陣を引っ張ってきた大黒柱の面影はなく、和田監督も「気持ちは入っていたけど、力みもあった。力が入っている分、球は本来のところまではいってなかった」と厳しい表情で話した。

 「先制されても早いイニングで点を取り返してもらったわけだから、最少失点のまま持ちこたえたかったが、これだけの点を取られてしまい悔しい」

 試合中に広報を通じて出したコメントには無念さがにじむ。4日の中日戦(甲子園)で4回6失点KOされ、登板間隔を空けて調整させるプランも浮上しながら「中5日で」と志願。普段はあまり行うことのない屋外での走り込みを敢行するなど必死にトンネルの出口を探したものの、結果は厳しいものとなった。

 昨年までは150キロ台を連発していた直球も、140キロ台に止まることが多く、不振は明らか。中継ぎだった来日1年目の10年4月23日に一度だけ2軍落ちを経験しているが、先発ローテーション入りしてからは不振や故障などで出場選手登録を抹消されるのは今回が初めて。ただ、1軍に同行しながら復調への糸口を探り、早ければ21日の巨人戦(甲子園)で復帰する見通しだ。

 代役として16日の中日戦(ナゴヤドーム)は新助っ人のサンティアゴの先発が濃厚。外国人枠の関係で第5の助っ人として2軍暮らしが続いていたが、ウエスタン公式戦で6試合に登板して25回0/3を5失点、防御率1・80と好調をキープしていた。

 最下位に転落し、開幕投手も欠く危機に瀕(ひん)した猛虎。今こそ、チーム一丸となって浮上の足がかりをつかみたい。

 ▼阪神・中西投手コーチ(メッセンジャーについて)ここぞという場面で一番良いボール(直球)が弱い。ちょっとずつだけど、良くなっている。

 ≪14年ぶり≫阪神はこの日の敗戦でセ・リーグ最速の20敗到達。阪神では野村監督時代の01年以来14年ぶりで、同年はシーズン6位。00年以降昨季までの15シーズンで、セの最速20敗チームの最終順位は4位(3)、5位(3)、6位(9)と厳しい。

 ≪今季2度目≫阪神は4月7~9日のDeNA戦(甲子園)以来今季2度目のカード3連戦全敗。広島相手に喫するのは12年8月3~5日のマツダ以来3年ぶり。主催試合では11年8月16~18日の京セラドーム。甲子園の3連戦に限れば04年4月13~15日以来11年ぶりになる。

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