本人も初耳!デーブ監督、松井裕を守護神指名「中6日もったいない」

[ 2015年2月13日 05:45 ]

紅白戦で2回を2K無失点に抑える好投を見せた松井裕

楽天紅白戦 紅組7―2白組

(2月12日 久米島)
 本人もびっくり仰天だ。楽天は12日、沖縄・久米島キャンプで紅白戦を行い、松井裕樹投手(19)が8回から救援登板。2イニングを1安打無失点2奪三振と好投した。試合後、大久保博元新監督(48)は2年目左腕を抑え候補に指名。新人だった昨季4勝を挙げ、2年目の今季も先発投手として飛躍を目指していた松井裕本人さえも驚かせる大胆プランを披露した。「デーブ流」のチーム改革は底知れない。

 その目は本気だった。今キャンプ初めて9イニングを戦った紅白戦の試合後。実戦初登板となった松井裕を抑えで起用した大久保新監督は今後の起用法について言及した。

 「俺は先発を決めるより、後ろから決めていきたい。そこにおいて松井裕は非常に大事な選手」

 先発として2年目の飛躍が期待された左腕を一転、抑え候補に指名したのだ。先発ローテーションで1年間投げ抜き、規定投球回到達を今季の目標に掲げていた松井裕本人は「本当ですか?全く話を聞いていない」と驚きを隠せない。だが守り勝つ野球を掲げる新指揮官にとって松井裕は試合終盤に欠かせない投手。抑え候補には広島から移籍した通算73セーブのミコライオや同45セーブの青山がいるが、左腕の名前を挙げた理由として宝刀スライダーを武器に三振を奪えることにある。

 昨季、高卒1年目の左腕では1967年の阪神・江夏豊以来47年ぶりに100奪三振を上回る126奪三振を記録。奪三振率9・78は規定投球回に達していないが、パ・リーグでは日本ハム・大谷(10・37)に次ぐ。奪三振率の高さは1失点も許されない抑えにとって必要不可欠な要素で、指揮官は「中6日はもったいない。勝ち試合に絶対必要。毎日いてほしいんだよ」と力説する。

 昨季代行で17試合指揮を執った大久保監督の1軍初勝利は7月2日オリックス戦(京セラドーム)。松井裕を5回のピンチで救援させ、ルーキーもプロ初勝利を挙げた。その時から「ストッパー松井裕」を頭に描いていたのかもしれない。この日、2年目左腕は8回から登板。第1球が反則投球の「二段モーション」と指摘され、ボールと判定されて四球を出した。それでも得点を許さず、9回にはドラフト7位の伊東(日本製紙石巻)をスプリットで空振り三振。今オフ、一緒に自主トレを行った元エースの田中(ヤンキース)から直伝された新球だ。直球は最速143キロを計測し、2者連続三振を奪うなど3人で片付けた。2イニングで43球と制球面で課題を残すも無失点に抑えた。

 落ち着きを取り戻した松井裕は言った。「(起用法は)自分が決めることではない。チームの力に少しでもなるなら」。3月10、11日に欧州代表と強化試合を行う侍ジャパンの代表メンバーに初選出されることが濃厚な19歳。大久保監督は「いろんな可能性がある」とオープン戦では先発での登板もを予定していることを明かした。最下位から巻き返しを目指す15年シーズン。「ピッチャー松井裕樹」はどの場面でコールされるのか。新指揮官の手腕が注目される。

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