松坂も絶句「この風で?」 ソフトB柳田ぶっ飛び130メートル弾

[ 2015年2月13日 07:11 ]

紅白戦の5回無死、右中間に本塁打を放つ柳田

ソフトバンク紅白戦 紅組2―3白組

(2月12日 アイビー)
 工藤監督が率いるソフトバンクの“1号”本塁打は、柳田によってもたらされた。5回。大場の内角直球を瞬間最大14・9メートルの逆風を切り裂いて右中間席に運んだ。

 「完璧。全然、狙ってないけど、いい回転で飛んでくれた。少しは練習の成果が出たと思う」

 130メートルの特大弾に、工藤監督はベンチ前で拍手で出迎え、噂を聞いて駆けつけた松坂も「この風で?」と絶句した。

 トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を目標に掲げるが、昨季は15本塁打。2日に受けた王貞治球団会長の助言で意識改革した。「バットの軌道とかじゃなくて、ボール(打球)の回転を練習中から意識することで、打撃が変わる」と柳田。打球を飛ばすため、ボールの少し下を捉えてスピンをかける意識でバットを振り込んできた。もちろん、代名詞のフルスイングは不変だ。前日の紅白戦はいずれもヘルメットを飛ばしての2打数2三振だったが、「テーマは振ること」と前向きに捉えた。

 侍ジャパンの小久保裕紀監督が現役時代につけていた背番号9を継承。チームの軸となるには「本を読め」と、「生き方―人間として一番大切なこと」(稲盛和夫著)を渡された。苦手な読書に苦しみながらもけなげに一日数ページずつ読み進めている。

 これで紅白戦では2日続けて4番に入った。昨季全144試合で4番を務めた李大浩(イ・デホ)が出場していないが、藤井打撃コーチは「監督はいろんなバリエーションを考えている。柳田の4番はその考え方の中にはある」と明かした。26歳のスラッガーは「出られれば何番でもいい」と素っ気ないが、表情は充実感にあふれている。

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