ヒグマ猟は「命のやりとり」栗山監督 カリスマ猟師に“勝負”学ぶ

[ 2015年1月14日 08:11 ]

「金の2倍」の価値があるともわれる熊の胆(くまのい)を手にする日本ハム・栗山監督(右)とヒグマ猟師の久保さん

 札幌から約450キロ。3年ぶりのV奪回を誓う日本ハム・栗山英樹監督(53)が13日、知床半島の根元にある標津町在住のヒグマ猟師・久保俊治さん(67)を訪問。リーグ制覇を達成した12年オフに同氏の著書を読んで対面を熱望していた指揮官の願いが実現した。

 一般的にヒグマ猟は複数人で行われるが、久保さんは「自分が打ち込んだ(銃の)弾で死んでいく。一人でないと命が消えていく瞬間が見えない。それでないと獲物から肝心なものを教えてもらえない。撃っていなければまだ生きているわけだから…」と日本で唯一単独で狩りに臨んでいる。「命のやりとり」の中で生き抜いてきたカリスマだからこそ、指揮官は「命懸けで戦う」ことの意味を学びたかったのだ。

 久保さんの自宅で2時間対談。指揮官の心に響いた言葉があった。「できる限りの準備をする」――。ヒグマを見掛けたらすぐに追いかけるのでなく、どのようにして出合い、どのように鉄砲を撃つのかまでをイメージする。栗山監督は「命が懸かっているからこそ、そこまでやっておかなければいけない」とうなった。準備の重要性はスポーツでも同じだ。そしてもう一つは「相手(ヒグマ)をおもんばかる」ことだと言った。こちらも「相手を尊敬するからこそ全力で倒しにいく」と野球に通じるものがある。日帰り日程だったが、指揮官は「目いっぱい勝負して、“できました”と報告できるようにまた来たい」と目を輝かせていた。

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2015年1月14日のニュース