1型糖尿病患者に勇気を!阪神・岩田、来季20勝で「岩田稔賞」創設

[ 2014年12月14日 08:40 ]

大阪くるみの会主催のクリスマス会に参加し、子供たちに来季15勝を誓った岩田(中央上)

 阪神・岩田稔投手(31)が13日、高槻市の大阪医科大学で行われた大阪北部を中心とした1型糖尿病患者・家族会「大阪くるみの会」主催のクリスマス会に出席した。来季20勝を目標に掲げ、様々な分野で活躍した小児糖尿病患者を表彰する「ガリクソン賞」に続く「岩田稔賞」の創設へ強い意欲を口にした。

 リップサービスではない。岩田は子どもたちの前で力強く宣言した。

 「来年は最後までローテを守り抜いて勝ち星を重ねていきたい。前は数字を言うのは嫌でしたけど最低、15勝はしたい」

 数字の目標に関してほとんど口にしてこなかった男だけに、珍しい光景だった。そして、イベント後の取材対応では、さらに数字を“上方修正”した。

 「20(勝)でも良いと思っている。目指さないといけない場所。達成できれば(糖尿病治療への)基金にも協力できる。いかないといけない数字。自分の中で越えたい」

 セ・リーグでは03年の阪神・井川を最後に到達者がいない大台をはっきりと標的として捉え、その先に壮大な夢があることも明かした。「岩田稔賞」の創設だ。

 1型糖尿病を患いながら、巨人で主戦投手として活躍し、多くの病院も訪問するなど患者を勇気づけたビル・ガリクソンの功績を称え、日本糖尿病協会は98年に「ガリクソン賞」を創設。スポーツ、文化、化学などで活躍した小児糖尿病患者を表彰している。

 岩田自身はまだ受賞経験はないものの、受賞以上のターゲットを「大阪くるみの会」の発起人である小西和孝氏(阿武山こどもクリニック院長)が示した。「自分の名前の付いた賞を作ってもらわないと。(病気を)オープンにして活動してくれるのはありがたい。活躍して社会貢献もしていますし、そういう動き(賞の創設)になる可能性は高い。応援したい」。これに岩田も「(患者の)目標になるような賞だったら」と呼応した。

 「前は(目標を)達成できなかったらどうしようとかマイナスだったが、上さえ向いていけば勝手に進んでいくんじゃないかと。プレッシャーとの戦いもおもしろい」

 背負うものは人よりも多い。だからこそ、多くの白星をつかみ取り、同じ病気と闘う人々に勇気と感動を与えていく。

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2014年12月14日のニュース