原監督 密室で阿部を個別特訓!計50分「秘密ミーティング」

[ 2014年10月9日 05:30 ]

バットで目を隠しながら引き揚げる阿部

 川崎市のジャイアンツ球場で行われた巨人の全体練習。アップを終えると、原監督と阿部は室内練習場へ移動。球団広報の「きょうは非公開でお願いします」の声とともに扉は固く閉じられた。

 「秘密ミーティングだよ。戦友としてね。いいきっかけになれば。我々の原点は汗をかくということ」

 そう話した原監督の顔は火照っていた。それもそのはず。短い距離から指揮官が投げ、打ち返す「ショートゲーム」を15分ほど行った。打撃投手に代わってからも、阿部の打撃を観察。身ぶり手ぶりを交えながら、互いの意見を交換したという。計50分間の濃密な時間。これまでも坂本らを「密室」で特訓したことはあったが、球界最高年俸の打者を個別指導するのは極めて異例だ。

 「僕の方からも、こうだから、こうなってしまうという相談もできた。ありがたかった」。阿部は具体的な内容こそ明かさなかったが、何かをつかんだ様子。15日からのCSファイナルステージへ向け、チームは9日から東京ドームでシートノックなど実戦的な練習に入る。チャンスはこの日しかなかった。

 主砲の復調なくして、日本一奪回の道は開けない。8月から4番に固定し、肉体的な切れや強さを取り戻させるため、負担の少ない一塁の起用もした。しかし、9月以降は月間打率・205。「大けん引車になってもらいたい」と話す指揮官の思いが行動に表れた。

 「汗をかかざる者、勝利はない」と締めくくった原監督。「いい練習をさせてもらった」と話した阿部。2人の表情はとても晴れやかだった。

 【過去の原のカーテン】

 ▼02・10・14 就任1年目、日本シリーズ直前の宮崎合宿で報道陣をシャットアウト。室内練習場で、西武・松井の「足」を警戒してのけん制練習などを行った。

 ▼06・2・16 宮崎キャンプの第4クール初日、室内練習場で1時間10分、内野陣の連係プレーなどを確認。守備陣形、走塁などのトリックプレーを繰り返し行った。

 ▼10・10・6 ジャイアンツ球場での全体練習で、不振の坂本に約1時間のマンツーマン指導。原監督自ら打撃投手も務め「勇人らしさが出てほしい」。

 ▼11・10・18 CSファーストSを控えて、ジャイアンツ球場の室内練習で坂本に打撃指導。約1時間15分、打席での心理面のアドバイスなども行った。

 ▼12・4・23 休日返上練習で報道陣を1時間以上シャットアウト。借金7と不振のチーム状況を打破すべく、「集中してバッティングをね。親心です」。

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