巨人 沢村でM22点灯!地元・栃木で連続無失点16イニングに

[ 2014年9月5日 05:30 ]

<巨・広>5回2死満塁 ロサリオを三振に打ち取りガッツポーズを見せる沢村(左)と小林(中央)

セ・リーグ 巨人1-0広島

(9月4日 宇都宮)
 巨人に優勝マジックナンバー「22」が初点灯した。4日の広島戦で沢村拓一投手(26)が7回を5安打無失点。プロ4年目で初めてとなった地元・栃木での登板を白星で飾った。沢村の好投で首位攻防3連戦3連勝。今季最多タイの貯金15とし、マジック対象球団のDeNAが阪神に敗れたことで、マジックをともした。リーグ3連覇に向け、現日程での最短優勝は17日となった。

 沢村は勝利のハイタッチを終えると、惜しげもなくウイニングボールを一塁側スタンドに投げ入れた。プロ初の凱旋登板で7回無失点。声援を送ってくれた地元・栃木のファンへの感謝の気持ちを記念球に込めたのだ。

 「ここで投げると決まってから目標にしていたのでうれしい。栃木で育って思い出ある球場で投げてて楽しかった」。0―0の5回2死満塁。ロサリオを打席に迎えると、一塁から歩み寄ってきた阿部から言われた。「1点を惜しんで大量点を取られるくらいなら思い切って腕を振って投げよう。沢村のボールなら大丈夫」。同じ中大出身でバッテリーも組む先輩の言葉。140キロのフォークで空を斬らせ、女房役の小林と一緒にガッツボーズだ。チームが初戦にサイクル安打を記録された相手から3打席連続空振り三振を奪い「阿部さんの言葉が立ち直らせてくれた」と感謝した。

 佐野日大では3番手投手。3年夏の県大会決勝はこの日と同じ宇都宮清原球場だったが、登板せずに敗れた。「高校の時は基盤となる下半身をつくっていなかった」。あれから8年。成長した右腕は最速153キロの剛速球で広島打線を封じた。

 右肩の違和感で戦列を離れていた5月。母校のグラウンドを訪れた。ベンチで一緒に後輩の練習を眺めた松本弘司監督は「まだ2軍調整中だったし、原点を見つめ直そうとしていたのかな」と振り返る。沢村は当時を回想しながら気持ちを奮い立たせ、完封した前回8月28日の阪神戦(東京ドーム)から16イニング連続無失点で3勝目を飾った。

 バットでも5回1死二塁から遊撃内野安打で一、三塁と好機を広げ、先制点を呼び込んだ。DeNAが阪神に敗れたため、優勝へのマジックナンバー22が点灯。原監督は「粘りながらよく放ったと思います」と沢村を称え「ギリギリの中で3つ勝てたのは、これからの大きなエネルギーに変えていきたい」と続けた。

 観戦した両親の前で快投を披露した沢村は言った。「1年間戦っていないですから。チームがきつい時に勝てるようにしたい」。リーグ3連覇に導くため、剛腕は全力で腕を振り続ける。

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