“反骨の39歳”黒田 洞察力と研究で5年連続2桁勝利

[ 2014年9月5日 05:30 ]

<ヤンキース・レッドソックス>5年連続2桁勝利を挙げた黒田

ア・リーグ ヤンキース5―1レッドソックス

(9月3日 ニューヨーク)
 ヤンキース・黒田博樹投手(39)が3日(日本時間4日)、レッドソックス戦に先発し、7回を4安打1失点、今季自己最多タイの8奪三振と好投。5年連続2桁勝利となる10勝目(8敗)を挙げた。すでにマリナーズの岩隈が13勝、ヤンキースの田中が12勝、レンジャーズのダルビッシュが10勝しており、同シーズンで初めて日本選手4人が2桁勝利をマークした。

 「無事これ名馬」を地で行く黒田にふさわしい勲章。5年連続2桁勝利の達成に「継続することが凄く大事だと思うし、この年齢になっても日本人がこっち(メジャー)でできるというのは、自分で誇りに思える」と胸を張った。

 継続の美学を貫く裏には、洞察力と研究がある。レ軍との対戦はパドレスと並び自身最多の14試合目。互いが互いを知り尽くす中での戦い。この日は球筋のきれいな速球(フォーシーム)を要所で投じた。シンカー(ツーシーム)とスプリットが武器の黒田に対し、相手打線は序盤から低めの球を拾うようなスイングをしてきた。そこで「目先を変える意味で」と高めのフォーシームで勝負、その結果が2回から3回にかけての4者連続三振で、そのうち3人が3球三振。全95球中、実に73球がストライクだった。

 米移籍を機に「自分の直球ではメジャーで通用しない」とシンカー主体の投球に変えた。しかし、10年8月にシンカーの使い手、ブレーブスのハドソン(現ジャイアンツ)と対戦。自身が打席に立ち、シンカーと直球の軌道の差に驚き、「投球術」には直球も必要と悟った。同年から黒田の2桁勝利が始まった。

 加齢に伴い力が衰えるという周囲の見方に反骨心を燃やす。「周りの目をいい意味で覆せるというか、それが自分の力、エネルギーになっている」。次回登板で5回2/3以上を投げると、日米通算3000投球回を達成する。39歳になって一層の輝きを放っている。

 ≪日本選手最長記録を更新≫黒田は5年連続2桁勝利で自身の持つ日本選手最長記録を更新。3年連続は野茂が2度(95~97、01~03年)と、ダルビッシュ(12~14年)が記録している。また、大リーグ全体で5年以上、連続2桁勝利を継続中なのは黒田を含め14人。14年連続のブルージェイズ・バーリーを筆頭に、ドジャース・カーショーらエース級が名を連ねる。

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2014年9月5日のニュース