大谷、160キロ出た!日本人2人目 パ・リーグ史上最速

[ 2014年6月5日 05:30 ]

<日・広>5回1死三塁、中島の安打で生還する大谷

交流戦 日本ハム6-2広島

(6月4日 札幌D)
 ついに出た、160キロ!日本ハム・大谷翔平投手(19)が4日、広島戦に「7番・投手」で出場し、5回を3安打1失点で5勝目を挙げた。初回にプロ入り後の自己最速で、パ・リーグ史上最速となる160キロをマーク。毎回で自己最多タイの10三振を奪った。打っても5回、先頭で前田健太投手(26)から二塁打を放ち、一挙5点を奪う逆転劇につなげた。球界を代表するエースに投げ勝ち、打ち勝った。

 拍手とどよめきが鳴りやまない。「160キロ」。その時はついに訪れた。大谷は投げた弾みで一回転。中堅後方の大型ビジョンの球速計時を確認したが表情を崩さない。「力を入れた球と抜いた球がどれくらい球速が違うかは毎回見ています」。興奮する様子はなく淡々と言葉をつないだ。

 初回2死。2ボール2ストライク。3番・丸に対し、思い切り右腕を振って、外角高めの直球でバットに空を斬らせた。花巻東3年夏の岩手大会準決勝、一関学院戦(岩手県営)で高校生史上初めてマークして以来の大台。日本人投手としては、史上2人目。パ・リーグでは初の快挙に「(160キロは)手応えは、凄くありました」と言い切った。

 栗山監督は「条件がそろえばいつか出る」と言っていた。その条件がそろった。球界を代表するエース・前田健との初めての投げ合い。「点数も入りづらいと思ったので最初から力を出し切るつもりでいった」。初回から150キロ台を連発。高めが伸び、打者を押し込めているのが分かった。加えて北海道で記録した異常な猛暑。「夏に向け切れが出てきた」という。心技体がそろって160キロは生まれた。

 今季2度目の投打「二刀流」。反撃ののろしを上げたのも7番・大谷だった。1点ビハインドの5回だ。先頭で打ち返した打球は左翼、中堅、遊撃が「お見合い」するラッキーな二塁打となった。その後、中島の左前打で本塁に生還し、一挙5得点。自らのバットがきっかけで、前田健を見事に攻略した。だが、本塁へのクロスプレーで左足首をひねり、直後に降板。石黒好光チーフトレーナーは「左足首の軽度の捻挫。大事を取った」と説明し、大谷も「大丈夫だと思う」と軽症を強調した。5回を3安打1失点、自己最多に並ぶ毎回の10奪三振。大谷は「前田さんは押し引きが凄くうまい。マネしたいと思った」。二刀流2年目の19歳。向上心はまだまだ尽きることはない。

 ▼広島・丸(初回、大谷の160キロを空振り三振)最後の一球は速いな、と思った。(球速表示を見て)やっぱりなあ、という感じがした。

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