マー君あ然…ヤ軍同僚ピネダが不正投球 松ヤニ使用で退場に

[ 2014年4月25日 05:30 ]

<レッドソックス・ヤンキース>ベンチから試合を見守る(左から)田中、黒田、サバシア

ア・リーグ ヤンキース1―5レッドソックス

(4月23日 ボストン)
 ヤンキースのマイケル・ピネダ投手(25)が23日(日本時間24日)、レッドソックス戦に先発し、違反物質を使った不正投球により退場処分を受けた。登板中、右の首筋に松ヤニを付けていた。同投手には後日、大リーグ機構から出場停止処分が科される見通しで、ヤ軍の先発陣の台所事情は切迫。すでに3勝を挙げている田中将大投手(25)への「依存度」はさらに高まる。

 ショックなのか、落胆なのか。試合後、報道陣から同じ25歳のピネダの不正投球について問われた田中は、ノーコメントを貫いて球場を後にした。その硬い表情が事態の大きさを物語っていた。

 一目瞭然だった。2回裏。テレビ中継局がピネダの首元を映し出すと、右側の一部に茶色い光沢がくっきり浮かぶ。2死無走者、レ軍サイズモアの打席の際に、ジョン・ファレル監督が抗議。ジェリー・デービス球審が首筋を触って「松ヤニが付いていた」と確認して即退場を宣告した。

 何も言い返すことなくマウンドを降りたピネダは試合後、涙目になりながら「初回にボールが手につかず、打者に当てたくなかった」と説明した上で、「間違いを起こした。もう二度と起こさない」と謝罪した。ピネダは10日の同戦でも右手に同様の物質を付着させている姿をテレビ局に捉えられており、このときは「土が付いていた」と否定。レ軍側も抗議しなかったことで、不問に付されていた。それだけに常習犯であることも否定できない。

 野球規則では異物を体に付けること、異物をボールに付けることを投手に禁じている。ただ、不正投球については、大リーグでは比較的おうようで、見て見ぬふりされることが多い。事実、レ軍のファレル監督も「あまりにも明確で、許容範囲を超えていた」と発言した。

 ただ、自他ともに名門球団と称するヤンキースにとっては、首に松ヤニではなく、顔に泥を塗られたのも同然だ。ジョー・ジラルディ監督が「明らかに問題だ。彼が向き合わないといけない」と言えば、ブライアン・キャッシュマンGMも「組織としても責任がある。起こってはならないことだ」と言及。ピネダには大リーグ機構から10試合前後の出場停止処分が科される見込みだが、ヤ軍が独自で重い処分を科す可能性もある。

 いずれにしても、ここまで2勝、防御率1・83と好投してきたピネダは先発ローテーションからの「離脱」を余儀なくされる。ヤ軍の先発陣は27歳右腕のノバが20日に右肘じん帯の部分断裂で故障者リストに入ったばかり。検査の結果、修復手術を勧められていて、長期離脱の可能性が高まっており、台所事情はさらに厳しくなる。

 その中、田中は開幕から無傷の4勝目を懸けて中4日で27日(日本時間28日午前9時5分開始)のエンゼルス戦に先発することが決まった。早くも混戦模様のア・リーグ東地区を勝ち抜くためには、田中、さらにサバシア、黒田の3人が投げる試合を確実にものにしていかなければならない。

 ◆マイケル・ピネダ 1989年1月18日、ドミニカ共和国生まれの25歳。2005年にマリナーズと契約。22歳だった11年4月5日のレンジャーズ戦で、メジャーデビューを果たした。12年1月にトレードでヤンキースに移籍。キャンプ中に右肩を痛め手術を受け、昨季まで2年間大リーグでの登板はなかった。2メートル1、120キロ。右投げ右打ち。

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