「カープは鯉のぼりの季節まで」は本当か!?

[ 2014年4月25日 10:03 ]

開幕ダッシュに成功した広島に声援を送るファン

 広島の勢いが止まらない。開幕ダッシュに成功し、2年ぶりに単独首位につけている。1991(平成3)年以来23年ぶりのセ・リーグ制覇、そして1984(昭和59)年以来30年ぶりの日本一へ、気持ちは早くもポストシーズン……なんてファンもいるのではないだろうか。

 一方で、ある「格言」を掲げて、広島の調子がこのまま続くはずはない、と牽制するファンもいるはずだ。その格言とは、《カープは鯉のぼりの季節まで》。広島ファンならずとも、長くプロ野球を見てきた方ならば一度は見聞きしたことがあるのではないだろうか。

 「カープ=鯉」ゆえに端午の節句にひっかけ、5月5日のこどもの日を迎えるくらいまで春先は絶好調。まさに〈鯉の滝登り〉のように勢いよく走り始めるものの、5月半ば頃から失速して沈んでいく……そんなニュアンスが込められた、野球界のジンクスのようなフレーズである。

 だが、この《鯉のぼりの季節まで》は本当なのだろうか。過去10年間のチーム成績を調べてみると、2004(平成16)年以降、5月5日終了時点で勝ち越していたのは2004年と2011(平成23)年のみ。10年間の通算では130勝147敗10分と、大きく負け越しているのだ。16年ぶりのAクラス入りを果たした昨年も、5月5日終了時点でのチーム成績は13勝17敗1分で5位。借金4とまったく絶好調ではなかった。

 格言が生まれるくらいなのだから、かつてはそんな戦いぶりが目立っていたのかもしれない。だが、この10年に関しては《鯉のぼりの季節まで》は当てはまらない。むしろ近年は、開幕ダッシュに失敗する傾向が強く、それが15年連続Bクラスの一因になっていた可能性もある。

 果たして、開幕ダッシュに成功した2014年。格言どおりに5月から失速してしまうのか、それとも?(『週刊野球太郎』編集部)

 ▼『週刊野球太郎』(http:/yakyutaro.jp/)とは イマジニア株式会社ナックルボールスタジアムが配信するスマートフォンマガジン(auスマートパス、docomo SPモード、Yahoo!プレミアムで配信中)。現在、広島OB・高橋慶彦への独占インタビュー『赤の時代』も好評連載中だ。バックナンバーでは『鯉バナ~広島東洋カープファン増殖計画』と題した、広島躍進の秘密に迫る企画も読むことができる。母体となるのは雑誌『野球太郎』。現在、この記事のようなマニアックだが、面白いデータがふんだんに詰まっている『別冊野球太郎2014球春号~プロ野球[呪い]のハンドブック』が全国書店にて発売中だ。

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