実践向きだ梅野 正捕手獲りへ“プロ1号”

[ 2014年2月16日 05:30 ]

<阪神紅白戦>6回2死、梅野は中越えソロ本塁打を放つ(左は清水)

阪神紅白戦 紅組7―2白組

(2月15日 宜野座)
 快音が宜野座野球場に響いた。ドラフト4位の梅野隆太郎捕手(22=福岡大)が15日、今季初の紅白戦で、強打をアピールするバックスクリーンへの一撃を放った。代打で登場した6回2死、同期入団の5位山本から、プロ1号はまさに天性の打撃センス。和田監督は「実戦向き」とルーキーのレギュラー争い参戦を期待した。

 この日一番の大歓声だった。6回2死からの第2打席、6500観衆の視線は梅野が放った放物線にクギ付けとなった。

 「結果が欲しかった。打ちたかった。打った手応えはあったけど、入るとは思わなかった」

 手応え十分の一打だった。同期入団の山本と初対戦。カウント2ボール2ストライクからの5球目だ。外角やや低めのチェンジアップに体が反応。黒田ヘッドコーチも思わず舌を巻いた。「対応力がある!」。体勢を崩すことを狙った左腕の思惑を覆してボールをジャストミート。追い風にも乗った大飛球はバックスクリーン右に着弾した。記念すべき“プロ1号”は豪快な一撃だった。

 「あれが入るんだからね。風を差し引いてもパワーがあるということ。そう簡単に打てるもんじゃないけど、結果を簡単に出すのは、培ってきたものがあるんだろうな」

 和田監督も持ち前のパワーに目を丸めた。ルーキーながら天性の長打力を証明した。そこには修正能力の高さもあった。代打出場した5回無死からの第1打席は、岩貞の変化球の前に三ゴロに終わったが、反省して即座に打撃修正していた。

 「(岩貞との対戦では)力みがあってとらえることができなかった。だから(2打席目は)とらえようと思って打撃を調整した。コンパクトに行こうと。追い込まれていたから打てたと思う」

 デビュー戦となった前日14日のサムスン戦(宜野座)では強肩を生かして盗塁も刺すなど攻守でアピールした。指揮官も「実戦向き。自信になると思う」と評価した。

 魅力十分の打撃で結果を残していけば新人捕手では07年の清水以来となる開幕1軍も見えてくる。「ホッとした気持ちはない。(認めてもらうのは)知らない投手を打ってからだと思う。(開幕1軍の)チャンスはあるので1球、1球が勝負」。期待の新星が存在感を発揮し続けている。

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2014年2月16日のニュース