大谷 球宴第1戦は野手&第3戦は救援登板も 外野手3位で選出

[ 2013年6月25日 06:00 ]

オールスターファン投票で3位選出され写真撮影する大谷(右)と中田

 「マツダオールスターゲーム2013」のファン投票最終結果が24日に発表され、二刀流ルーキーの日本ハム・大谷翔平投手(18)がパ・リーグ外野手部門で3位で選ばれた。高卒新人がファン投票の外野手部門で選出されるのは史上初。球宴でも二刀流が期待される大谷は、第1戦(7月19日、札幌ドーム)に野手として先発出場し、東日本大震災の復興支援として福島県で行われる第3戦(同22日、いわきグリーンスタジアム)に救援登板する可能性が出てきた。

 まさに夢の球宴だ。18歳の若武者が地元で打ち、そして被災地で投げる。外野手部門で28万4737票を集めて3位での選出。先発投手部門ではベスト10にも入れなかったが、ファンが何を期待し、何を望んでいるか大谷は感じている。

 「実力では僕より上の選手がいっぱいいる中で選んでいただいて凄くうれしい。期待に応えられるプレーをしたい。(二刀流は)どうなるかは分からないけど、一流の方たちの中で勉強して自分の力にできたらいい」

 言葉は控えめでも夢は広がる。そんな大谷の起用法について、全パの指揮を執る日本ハム・栗山監督は「今は一切頭にない」と話したが、球宴の意義は人一倍強く感じている。ファンをいかに喜ばせるか。さらに以前から「被災地の試合の意味は考えないといけない」とも語っている。地元・札幌ドームでの第1戦は野手で先発出場。球宴前の登板スケジュール次第では、被災地・福島県いわき市の第3戦で救援する可能性が高い。

 交流戦後に先発ローテーション入りが決まった大谷は、順調なら球宴前最後の登板は7月11日の楽天戦(Kスタ宮城)が有力。そこから球宴第3戦までなら中10日で、体への負担も少ない。大谷自身も「(投手で)出る機会があれば自分の持ち味だし、そういうところ(直球)で勝負したい」と意欲も見せた。

 球宴での二刀流。かつてイチロー(現ヤンキース)がオリックス時代の96年第2戦(東京ドーム)でマウンドに上がっている。このときは故仰木彬監督ならではの演出だったが、大谷は真の二刀流として夢の舞台に立つ。当時のイチローのことは「記憶にはないけど、テレビで(映像は)見たことがある。凄い選手です」。ただ、イチローは代打の投手・高津(ヤクルト、現スポニチ本紙評論家)と1人だけの対戦だった。大谷は投げるなら1イニング、セの強打者と相対することになる。また、第3戦で投打の二刀流を披露する可能性もある。

 思えば2年前の春、スポーツキャスターとして被災地の高校を巡る栗山監督から大谷は取材を受けた。当時は岩手・花巻東の2年生エース。震災の苦しみ、そして野球のできる喜びとありがたさは今も忘れない。あれから2年。栗山監督の下で被災地の球宴で登板するとなれば運命なのかもしれない。

 「(東北で)より多くの方に楽しんでもらえたらいいと思います」。7・22いわきで、岩手生まれの18歳が夢を届ける。

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2013年6月25日のニュース