雄星 虎狩り5勝!2年前、悔し泣き初登板相手にやり返した

[ 2013年5月21日 06:00 ]

<西・神>連敗止めた!今季初の中7日も8回1失点で自己最多の5勝目を挙げた西武・菊池

交流戦 西武5-1阪神

(5月20日 西武D)
 マウンドで六甲おろしが聞こえてきた。西武・菊池は7回2死から新井良に一発を浴び、初失点。続くコンラッドにも左中間二塁打でこの日初めて連打を許した時だった。

 「凄い迫力だな」。ただ、驚きもしなかった。2年前とは違った。8回1失点で今季3度目の完封は逃したが、自身最多でチーム単独トップの5勝目。4年目で交流戦勝利は初めてだった。

 「とにかく(チームの)連敗を止めたい気持ちが強かった。だから勝ててうれしいです」。阪神は11年6月12日、1軍デビューの相手で、3回途中4失点KOされた。連打を浴び、同じ西武ドームで六甲おろしが鳴りやまなかった。その時以来の対戦。右打席に8人も並べた打線に最速148キロの直球にチェンジアップやカーブを織り交ぜて手玉に取った。「デビュー戦では打たれて終わってしまった。勝ちたいと思ってマウンドに上がった」と雪辱の1勝だ。

 防御率はリーグトップ1・12。チェンジアップを完全習得したことが大きい。昨年、テレビで野球ゲームをしていた際、右打者との対戦で感じた。「カーブやスライダーだけの投手って打ちやすいなって」。内角を攻める変化球だけでは通用しない。外に逃げる変化球。それがチェンジアップだった。同じ左腕の巨人・杉内の握りを参考にした。キャンプやオープン戦中もブルペンでチェンジアップばかり投げていた日もあった。レベルアップに余念がなかった。

 チームの連敗も3でストップ。エース涌井が不振で中継ぎに回るなど、苦境の先発陣を救った。「(目標の)2桁勝利の半分しかいっていない」。2年前のデビュー戦では悔しさや苦悩が入り交じり試合後の会見で涙を流した。今は違う。チームを背負う責任感がにじみ出ていた。

 ▼西武・渡辺監督 雄星は序盤で試合を落ち着かせてくれた。(ボールは)バラついたけど修正できていた。先に点を与えずよく辛抱した。今年成長したところは修正できることと、球種が増えたことだね。

 ≪西武Dで今季被適時打ゼロ≫菊池(西)が8回1失点で今季5勝目。シーズン5勝は11、12年の4勝を上回り自己最多になった。また、交流戦は11年6月12日阪神戦以来2度目の登板で、勝ったのは初めてだ。現在防御率は1・12とリーグ1位をキープしているが、西武ドームでは4試合に登板し0・61と安定。失点は内野ゴロとソロ本塁打による2点だけで、今季同球場では29回1/3を投げ適時安打を1本も許していない。

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2013年5月21日のニュース