木佐貫 12球団制圧!古巣巨人斬り「胃が痛かった」

[ 2013年5月21日 06:00 ]

<日・巨>6回、ピンチをしのぎグラブを叩く日本ハム・木佐貫

交流戦 日本ハム2-1巨人

(5月20日 札幌D)
 勝つまで信じられなかった。日本ハムの木佐貫は試合終了の瞬間、栗山監督に肩を叩かれ、ようやく表情を緩めた。移籍後初となった本拠地のお立ち台では「チョー、緊張しました。節目の1勝もうれしいし、ここで勝てて良かったです」と笑った。

 これも運命か。自由枠で入団し、03年から7年間を過ごした古巣の巨人戦初登板。しかも投げ合う相手は同じ鹿児島出身で高校時代のライバルだった杉内だった。98年夏の県大会決勝で敗れて以来の再戦。プロ初対決だった。前夜に川内のチームメートから激励のメールが届いたが「肩に重しがかかるので」とあえて無視。集中力を高めた。

 直球とシュートの速球系を主体に課題の立ち上がりを切り抜けると、中盤以降は巨人時代からの決め球フォークがさえた。6回2死一、二塁でロペスを迎えた場面では、そのフォークを3球続けて3球三振。ポーカーフェースな男が「年がいもなく」とガッツポーズ。強い気持ちが表れた。

 7回1失点で手にした今季4勝目は、史上12人目の12球団勝利。そして、杉内に16年越しでリベンジに成功した。メールをもらった川内のチームメートには「3年間ともに汗を流した仲間ですから、今から心を込めて返信します」と笑った。

 先日の9連敗中には2度登板したが、勝利を挙げることができなかった。「悪い流れの時とかは一人の時間をつくって過ごすのが好きでね」。33歳の誕生日だった17日、横浜スタジアムでの試合前にみなとみらいを望む公園を訪れた。無性に食べたくなったマクドナルドのポテトをほおばりながら物思いにふけると、シンプルに打者と勝負する気持ちを再確認。「緊張で眠りが浅かったし胃が痛かった」という一戦だったが、栄養剤のレッドブルを手に球場入りして気合を高め、真っ向勝負した。

 「本当に勝たせてあげたかったからよかった」。心なしか目を潤ませた栗山監督。昨季日本シリーズで敗れた巨人に新戦力で連勝をもぎ取った。

 ≪史上12人目≫木佐貫(日)が古巣の巨人戦で初登板初勝利を挙げ、現12球団全てから勝利を記録した。12球団制となった58年以降のセ、パ全球団勝利は、12年の杉内(巨)とグライシンガー(ロ)以来12人目。最初の所属球団が巨人の投手では木佐貫が初めてだ。また、最後の未勝利球団に対し、初登板でいきなり勝って達成したのは、83年5月15日大洋戦の野村(神)、02年5月7日中日戦の武田(巨)に次ぎ11年ぶり3人目となった。

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2013年5月21日のニュース