球児 同地区ブ軍に煙幕 甘い見せ球、フォークは1球のみ

[ 2013年3月5日 06:00 ]

<カブス・ブルワーズ>7回に登板し、3者凡退に抑えベンチに戻り、ガッツポーズをするカブス・藤川(右端)

オープン戦 カブス3―4ブルワーズ

(3月3日 メサ)
 カブスの藤川球児投手(32)が、ライバルに煙幕を張った。3日(日本時間4日)、同じナ・リーグ中地区のライバルであるブルワーズとのオープン戦に登板。シーズンでの対戦を見据え、本来とは違う投球スタイルを織り交ぜて7回の1イニングを3者凡退に抑えた。また、カブスとマイナー契約を結んでいる高橋尚成投手(37)も1回を無失点。ブ軍の青木宣親外野手(31)は3打数無安打で藤川、高橋との対戦は実現しなかった。

 日本球界で通算220セーブ。百戦錬磨の守護神候補が、本番のために手の内を隠した。わずか10球で1イニングを投げ終えた藤川は「同地区なので(自分の)できることと、(布石として)見せておこうという部分を両方やった」としたたかにエサをまいた。

 (1)甘いカットボール まずは6回、先頭の左打者ゲネットに対しての2球目。本来なら内角のボールゾーンに食い込ませるカットボールを、ストライクゾーンへ投じた。「わざと投げた。ストライクゾーンに来ると判断を持ってもらうことが重要なので」。詰まらせて二ゴロの結果よりも、イメージを植え付けることが重要だった。

 (2)カーブを意識付け 2死で迎えた左打者ギンドルにはカーブを2球連続で投じた。「あれもある、と。(打者にとって)邪魔になるボール」と普段はあまり使わない球種を相手に意識させた上で、フルカウントからは直球で二飛に封じた。

 (3)フォークは1球 宝刀フォークを投げたのはたった一度だけ。しかもギンドルの2ボール2ストライクから、あえて外角にコースを外した。「バレバレの配球で最後にフォークで三振を取っても、もったいないのかなと思った」。全ては計算した上だった。

 一方で、仕上がりは順調だ。打者の手元で伸びる最速148キロの直球で2つのフライアウト。「結果を出しにいって変化球を打たせた投球ではない」と胸を張り、「高め(の直球)が有効だというのは分かった」と話した。これでオープン戦は3試合連続無失点。地区優勝を争うライバルには、今季19試合が組まれる公式戦で真価を見せつけるだけだ。

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