大谷はON級 話しのプロ絶賛「明るくて物おじしない」

[ 2013年3月5日 06:00 ]

阪神・藤浪(右)と並んでインタビューを受ける日本ハム・大谷

 日本ハムのドラフト1位・大谷翔平投手(18=花巻東)が4日、都内のホテルで行われた新人研修会に出席。阪神ドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)と昨夏の18U世界野球選手権(韓国)以来、約半年ぶりに顔を合わせたが、意識的に接触を避けた。「話し方」の講義で、講師の元ニッポン放送アナウンサー・深沢弘氏(77)から高い評価を受けた大谷は、近い将来の藤浪との対決を誓った。

 研修会の開始直前。着席していた大谷の横を藤浪が素通りした。この日、2人が最接近したシーン。しかし会話はなかった。その後の4時間半に及ぶ講義の休憩中にも、大谷は歩み寄るどころか席さえ立たなかった。

 「カメラとか、いろいろ面倒くさいので。向こう(藤浪)も、そう思っていると思う。お互い気を使っている部分はある」。過熱気味の報道をけん制するように意図的に接触を避けたことを認めた上で「またメール(で連絡すること)もあるし、2人で頑張っていければいい」と1軍での再会を見据えた。

 グラウンドでの対決を前に、研修会では藤浪との「プロ初対決」があった。深沢氏による「話し方、インタビューの対応」の講義。取材対応の見本を示すため巨人・菅野、ソフトバンク・東浜とともに2人も順番に壇上へ呼ばれ、各人に同じ質問が出された。大谷は深沢氏の「キャンプはどうでした?」「プロとして今後の目標は?」などの質問によどみなく答え「大谷君は明るい。藤浪君はもう少し口を開けて話した方がいい。表情も暗く見えるから」と藤浪を上回る評価を得た。

 さらに深沢氏は「明るくて物おじしない。(西武の)菊池雄星先輩とはえらい違い。雄星君はかわいらしい田舎っぺ。大谷君は都会的な感じで、きれいにしゃべる」と絶賛。「一番いいのは相手の目を見て話すこと。あんな優しくてしっかり見る選手はなかなかいない。長嶋さん、王さんもそうだった」とON級の目力とまで評した。

 まずは話し方で大谷がライバル・藤浪に先勝した格好だが、勝負はあくまでもグラウンドでつけるもの。くしくも2人はこの日、目指す選手像に「子供たちの目標にされる選手」を挙げた。このことについて大谷は「目指すところは同じ」と話した。接触を避けた2人だが、思いは同じ。2人の対決で球界を盛り上げる日は、いずれやってくる。

 ≪近年の新人研修話し方講座≫

 ☆日本ハム・中田(08年) 「(体は)でかいんだからもっと声出さなきゃ」と厳しく指導。さらに「○○ッス」という言葉遣いを直すよう指摘され「○○ッスって敬語じゃないんスか?」

 ☆西武・菊池(10年) 「声が小さい!」と注意され「あいうえお」の発声練習も。「しっかりゆっくりしゃべらないと。速いのはボールだけでいい」。菊池は「意識していきたい」と苦笑い。

 ☆日本ハム・斎藤(11年) 「口の開き方が小さい。早口になって声がこもってしまう」と指摘。「中田さんを参考に。ゆっくりとした話し方は分かりやすい」と同僚を見習うようにとの助言も。

 ☆ロッテ・藤岡(12年) 「発声的に一番良かった。100点です。人を引きつける表情をしている」とべた褒めされた。

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2013年3月5日のニュース