マー君 先発か中継ぎか…与田コーチは悩める心境吐露

[ 2013年3月5日 06:00 ]

WBC公式球に苦しむ田中は復調へ祈るような心境?

 努めて明るく振る舞った。「行きま~す!」。練習メニューになかったアメリカンノック。田中(楽天)は鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、与田投手コーチが放った打球を何度も追い掛けた。

 「気持ちは切り替えてるけど、本当の意味で切り替えられるのは試合で気持ちよく抑えてから。正直、不安もあるけど前を向いてやるしかない」

 チームは休日だったが、福岡市内のグラウンドで大隣と2人で自主練習を実施。キャッチボール後にアメリカンノックを志願した。シーズン中も気分転換の目的で実施することはあるが、国際大会期間中に行うことは異例中の異例。ノッカーを務めた与田コーチは「1人で走るとどうしてもいろいろと考えてしまう。何も考えずに球を追う練習はよかったと思う」と田中の胸中を察した。

 今後の起用法は流動的だ。同コーチは「先発でチャンスを与えたい気持ちもあれば、細かいことを考えず短い回を投げてほしいというものもある」と話した。WBC球への対応が遅れ、大会前の実戦2試合はいずれも初回に失点。2日の開幕ブラジル戦(ヤフオクドーム)も初回に失点するなど立ち上がりに課題を残した。重圧がある国際大会は、たとえ格下相手でも先制点を与えないのが鉄則。本調子なら8日の2次ラウンド初戦に先発予定だったが、6日のキューバ戦(ヤフオクドーム)から中継ぎとして待機する可能性もある。

 山本監督は短期決戦について「調子が良い悪いで下を向いてはいけない。チーム全体で戦うわけだから」と言う。田中もその思いは強い。「(次回登板を)まだ言われていないけど、いつ言われてもいいように準備したい」と意気込む。先発でも中継ぎでも、日の丸のために身を削る覚悟だ。

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