坂本4安打2打点!阿部の分まで大暴れ「強い気持ちで」

[ 2013年3月1日 06:00 ]

<巨人・日本>ストロボの光を浴びながらスタンドに手を振る坂本

WBC強化試合 日本6―1巨人

(2月28日 ヤフオクD)
 侍ジャパンは28日、本番前最後の強化試合となる巨人戦に臨み、6―1で快勝した。4番の阿部が欠場した中で大幅に組み替えた打線は、1番の坂本勇人内野手(24=巨人)が6回2死満塁から左翼線2点二塁打を放つなど4安打2打点。3番の内川聖一外野手(30=ソフトバンク)も3回に同点打を放つなど3安打3打点の活躍をみせた。2試合ぶりの2桁12安打で得点力不足を解消させ、2日、ブラジルとの1次ラウンド初戦に向かう。

 復調の兆しというには十分な内容だった。1点リードの6回2死満塁。笠原の内角球を豪快に引っ張り左翼線を破った。試合を決める2点二塁打。続く8回の右前打で、本番前最後の実戦で4安打と打ちまくった。

 「(本番に)1本でいくのと、きょう4本打つのとでは違いますから。何とか結果を、と強い気持ちで臨みました」

 過去4試合で11打数1安打の打率・091。土壇場で昨季のリーグ最多安打の実力を示した。内容も得意の引っ張りだけでなく、中前2本、右前1本と広角に並べた。打線に停滞ムードが漂う中、前日の練習でチームとして徹底したのが「センター返し」。「きのう監督から言われ、実践できて良かった。内容も自分でもいいなと思ってます」とうなずいた。

  チームは緊急事態に陥っていた。主将の阿部が大事な最後の実戦を負傷欠場。「みんなで一つになって、みんながキャプテンなんだ、という気持ちでやれていたと思う」。結束を誓った侍ジャパンの中で中田に次ぎ野手では2番目に若い24歳も、積極的に声を張り上げチームをもり立てた。今年で坂本自身5年目となったグアム自主トレ。野手、投手合わせて侍ジャパン6選手を抱える大所帯となったが、坂本が初参加した08年は野手組は阿部とわずか2人だけ。まだ1軍で実績のない2年目の19歳だったが、大先輩の背中を追って濃密な時間を過ごした。今年1月はマンツーマンで右打ちの指導を受けた。「1センチでもいいから、とにかく投手の球を懐に呼び込め」という教えの下でバットを振り続けた。08年の初参加時に75キロだった体重は、阿部の厳しい指導を受け今では83キロの頑強な肉体に。この日は宿舎で静養した主将の教え通りに、中堅から右方向へ安打を重ねた。

 「リードオフマンが塁に出ればこういう試合になる確率が高い。猫をかぶっていたのか分からんけど、本番前にやっと上がってきた」。24日のオーストラリア戦から3番から1番に据え替えた山本監督も満足そうだ。阿部の復帰状況は極めて不透明だが決戦まであと1日。「本戦でも一丸になり、全員で勝つんだという気持ちでやれば、きょうみたいな試合ができる」。侍若頭は強い口調で言い切った。

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