スピリー、1号逆転3ラン“おかわりの代わり”いける

[ 2013年3月1日 06:00 ]

<西・ロ>初回1死一、二塁、先制3ランを放つ西武・スピリー

練習試合 西武8―1ロッテ

(アイビー)
 左翼席に打球が吸い込まれた瞬間、西武・スピリーは少しだけ笑みを浮かべた。1点を追う初回1死一、二塁。4球目の内角に来たカットボールを振り抜いた。来日初アーチとなる逆転3ラン。「2ストライクから打てたのは良かったね」と喜んだ。

 昨秋に左膝を手術し開幕絶望となっている中村の代役4番として期待される。広角打法が売りだが、メジャー通算42発と長打も魅力だ。ここまでの実戦7試合は全て4番に座り22打数6安打、打率・273。23日、ソフトバンクとのオープン戦(アイビー)で第1打席に二塁内野安打を打ったが、その後はこの一発が出るまで10打席無安打だった。それでも「今は学ぶことが大事。初めて対戦する投手ばかりだから」と、早打ちせずに投手のボールを観察した。

 開幕に向けて数多く打席に立つため、助っ人では唯一、1日からの高知・春野遠征に参加する。勤勉な性格で、日本の生活にも慣れてきた。簡単な日本語はすでにマスター。この日も練習前に花粉症でつらそうな河田外野守備走塁コーチを「カワダサン、ダイジョウブ?」と気遣った。

 80年代に黄金時代を築いたバッテリーが指揮官同士として初対戦する特別な試合だった。試合前にはかつてのエース・渡辺監督と女房役の伊東監督が握手を交わした。しかも、伊東監督は西武の前監督でもある。そんな一戦に花を添えたスピリーは「それは知らなかったけど、凄いことだね」と上機嫌だ。

 今季はソフトバンクの秋山監督を含め、パ6球団中3球団を球団OBが率いる。「(スピリーは)ナイスホームラン。当たれば大きいというのを見せてくれた」と渡辺監督。新黄金時代を築くためには、新助っ人の打棒は欠かせない。

 ◇スピリーという男

 ☆名前 ライアン・スピルボーグス(登録名がスピリー)

 ☆生まれ 1979年9月5日生まれの33歳。米カリフォルニア州サンタバーバラ出身。

 ☆球歴 ロッキーズ―ホワイトソックス―レンジャーズ。11年まで7年連続でメジャーでプレーし、07年ワールドシリーズにも出場。

 ☆背番号 「19」は大学時代のコーチ、エリック・ピーター氏がつけていた番号。6年前にがんのため、40歳の若さで他界した恩師への敬意が込められている。

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