岩村「知らぬが仏」の一発 29戦連続無失点男から古巣V1号

[ 2013年2月22日 06:00 ]

<巨・ヤ>4回2死、ヤクルト・岩村が右越えに本塁打を放つ

練習試合 ヤクルト3―0巨人

(2月21日 沖縄セルラー)
 赤褐色のバットで捉えた白球が右翼芝生席で弾んだ。0―0の4回2死から飛び出した岩村のヤクルト復帰1号。新人の昨季は被本塁打ゼロで、巨人の球団記録を更新する29試合連続無失点のままシーズンを終えた左腕・高木京の140キロ直球を仕留めた。

 「知らぬが仏だね。初対戦だし、いい投手だと思って見てたけど…。この時期は結果より内容だけど、自分はアピールが大事。練習試合だろうが結果を出さないと、シーズンで試合に出られないからね」

 ヤクルトでは06年10月10日の広島戦(神宮)以来、2326日ぶりのアーチ。ただ、主砲として活躍し同年オフにメジャー移籍した当時とは立場が180度違う。昨年10月に楽天を戦力外となり、背番号も代名詞の1ではなくプロ入り時の48。レギュラーどころか開幕1軍の保証さえない。過去2度のWBCで連覇に貢献した男は、侍ジャパンの話題にも「頑張ってほしいけど、今の俺には余裕がない。自分のことで精いっぱい」と多くを語らない。

 練習試合とは言え、昨年日本一の巨人を倒す一発。「若い頃から巨人戦で打って有名になりたいというのが根底にある。ただ、この一本のためだけにやっているわけじゃない。継続しないと」という岩村。3安打した20日の日本ハムとの練習試合(浦添)に続く爆発。同じく復活を目指していた昨季は3月半ばに右ふくらはぎを肉離れ。同じてつは踏まない。慎重に、そして確実に一歩ずつアピールを重ねる。

 ▽岩村とWBC 過去2大会とも出場。ヤクルト時代の06年は正三塁手で5、6番を打ち、初戦から6試合連続安打をマーク。レイズ時代の09年は二塁で全9試合に先発出場した。通算成績は15試合で打率・326、0本塁打、6打点。

続きを表示

2013年2月22日のニュース