館山流200球 スローボールと交互、手術の指先感覚を呼び戻す

[ 2013年2月6日 06:00 ]

ブルペンで200球を投げ込んだヤクルト・館山

 浦添キャンプ5日目で3度目のブルペン入り。初めて捕手を座らせたヤクルト・館山がいきなり200球を投げ込んだ。一昨年に血行障害の手術を行った右腕としては異例の球数だが、そこには独自の投球法があった。

 まずは捕手を立たせて50球。その後は捕手を座らせて切れのある直球と、山なりのスローボールを10球ずつ投げた。10球ごとに緩急をつけていく練習で150球。合わせて200球だ。館山には明確な狙いがある。

 「血行障害が出るようになってから取り組んでいる。力でボールを押し込まないように指先の力をボールに伝えるため。(指先の)関節を順番に使ってボールを離すことができれば、狙ったところにいく」。山なりでも、重視するのは手の関節も含めた指先からボールが離れる感覚。「血行障害で指先の感覚がリセットされた」と話す館山には、指がボールの上でしなる感覚を呼び戻すための作業といえる。

 ブルペンでは、実戦のイニング間を想定して休憩を挟みながら投球した。「全員が並ぶブルペンだと一度、目を切ったときに目標が定めづらい」と、踏み出す左足の前にロジンを置いて目印とした。理論派右腕の投球には工夫が満載だ。

 昨季12勝をマークし、5年連続2桁勝利と抜群の安定感を誇るが「キャリアハイを目指す」。09年に16勝で最多勝に輝いたが、血行障害の影響で右手の指先は左手よりも厚みがない。そんな館山だから生まれた独自調整だった。

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2013年2月6日のニュース